「自由に音楽を楽しむ」大阪でSoulflexによるパーティ
■ 梅田サイファーら多彩な顔ぶれの大阪公演
──会場の規模がこれまでと違いますもんね。でも、大阪の顔ぶれは、梅田サイファー、どんぐりず、Shin Sakiura、ego apartmentと多彩にして豪華です。ラッパーのR–指定も在籍する梅田サイファーとは以前から交流があったんですか?
Ma–Nu「DJもすればラップもするメンバーのpekoくんとは、現場が一緒になるときには話したりしていたんですけど、梅田サイファーとSoulflexがどんどん認知されているペースがちょっと似ていて、向こうも『メンバーが個々で活動しながら続けているところにもシンパシーは感じていたよ』ということだったので」
──確かに、梅田サイファーとSoulflex、似ているかもしれないですね。
Ma–Nu「だからいつか呼びたいなと思っていて、今回にいいタイミングで一緒にできることになりましたね。あと、ラッパーのKOPERUさんがご両親と一緒にお花屋さんをやっていて、僕らのMV(『Here To Stay』)内で花の装飾をするときに協力してもらったこともあります。
──ラッパーの森さん、トラックメイカー・プロデューサーのチョモさんからなる2人組ユニット・どんぐりずとは、どういった繋がりだったんですか?
Zentaro「どんぐりずは、SIRUPが個人的に繋がっていたところから名前が上がりましたね。ヒップホップやけど越境している部分にもシンパシーを感じるし」
華子「自分らだけで何でもやっているという活動スタンスにも感じますね」
──Shin Sakiuraさんとは、2020年に中止になったツーマン公演のリベンジということになると思いますが。
Zentaro「そうですね。もうほぼほぼクルーみたいな、この2〜3年はSIRUPの制作で僕も何度も一緒になっているし、かなりマイメンな感じですね」
──もう1組のego apartmentは、大阪の堺を拠点に2021年から活動を本格化させてきた新鋭の3人組ですけれど、検索して音を聴いて納得しました。
Zentaro「彼らは完全にもう音楽性で喰らわされた人たちで。世代的には自分たちより10歳くらい下なんですけど、驚きを感じるアーティストが出てきたなと。ZINが繋がっていて、今回に出てもらうことになりました」
──Soulflexならではのブッキングによるフェスみたいな感じですね。
Zentaro「そうですね。でも、フェスというよりはパーティーですね。東京で再確認したんですけど、めっちゃパーティーやなと。僕ら自身もフロアで楽しんでいたりするんですよ。それはNoon時代からそうやったんですけど、9月に東京という新しい場所でやったときに『むっちゃMILESTONEやな!』と改めて思いました」
華子「うん。こんな感じやったなーと懐かしい感じもしましたね」
Zentaro「なんばHatchでもそういう感じでやれたらな、と思います」
■ やりたいときに楽しくやれる場所として・・・
──そして、Soulflexとしては8月末にバンド隊だけでの初のインスト作『Beat Tape』もリリースして、また新たな方向性を示していますが。
Zentaro「2021年にEP『More Vibrant』をリリースして、それが期せずして出来てみたら集大成的な感じの作品になって、2020年に付けるはずだった区切りが付いた気もしたんです。今年にやったビルボードライブ大阪での公演も、ライブとしては現時点での集大成くらい充実したものだったので、なんか12年経ってひと区切りみたいな感覚もあって」
──はい。
Zentaro「一時期はSoulflexでのし上がって行こうぜみたいなバイブスのときもあったんですけど、今はそれとは違うところに落ち着き始めていて。Soulflexはやりたいときに楽しくやれる、純粋に音楽やカルチャーと向き合える場所として続けていくのがいいのかなと思っています」
華子「うん。自由に楽しく」
Zentaro「だから、これからは参加していないメンバーがいてもいいしみたいに、もっとフレキシブルにやっていきたいと僕は考えていて。そういう意味で、今回の『Beat Tape』は僕は制作に関わっていないんですけど、新しい形態でちょうどいい感じのタイミングで出せたと思っています」
──なるほど。必ずしも全員参加でのレコーディングではなくてもいいというか。
Ma–Nu「この『Beat Tape』を作った演奏隊はみんな大阪に住んでいて、僕も録音のときにその場にいて制作の過程を見ていたんですけど、めちゃくちゃいい雰囲気でしたね。演奏隊が自分らなりの作り方を確立してどんどん曲を完成させるスピードが早くなって、今までなんでコレやらへんかったん?と思いました(笑)」
──コレクティヴとしてやれる可能性のあることは、実はまだまだありそうですね。
Zentaro「『アーティスト・コレクティヴ』と言ってSoulflexを始めたけど、やっとその在り方がわかってきたという気がしていますね。現に僕は今が1番楽しいし。もともと米国の『ソウル・クエリアンズ』(※注:90年代後半にクエストラヴ、コモン、ディアンジェロ、エリカ・バドゥ、J・ディラらが集まって結成された音楽集団)に憧れて結成したんですけど、よく考えると彼らも数年で分解していたし。そもそも音楽性や通ってきたものが近いということで自然に集まっているから、12年続けてこられたのかなと思っていますけど」
──では最後に、10月16日に迫った「なんばHatch」でのライブについて、改めてお1人ずつ聞かせてください。
Zentaro「さっきも言ったようにパーティーだと思うし、自分たちが思う楽しい場所を続けていきたいとやってきたので、ぜひフラッと遊びにきてください!」
Ma–Nu「東京の『MILESTONE』はすごく楽しかったんですけど、僕にとっては今までとちょっと違った面も感じたんですよ。なんか僕たちの手からちょっと離れてきた感じもあって、それはイベント自体が成長したり、俺らがいろいろやってきたことに対して変わった面やお客さんのテンションも相まってかなと思うんですけど。そういう、続けていくうちに変わってきた部分も楽しんでもらえたらなと思いますね」
華子「私は12年間続けてきて、外部の人たちとの繋がりが増えてきたことによって、今回に東京でも大阪でもこれだけバリエーションのある人たちに出てもらえるようになったと思っていて。『MILESTONE』を入口にしてほかのカルチャーに辿り着いてくれるとうれしいし、あまりこういうイベントに来ない人にも気軽に遊びに来て、自由に楽しんでほしいなと思います」
◇
10月5日にはニューシングル『Worthy』をデジタルリリースしたSoulflex。「なんばHatch」でのライブは10月16日・夕方5時開演。チケットは6000円。
『A Soulflex joint “MILESTONE”』
日時:2022年10月16日(日)・17:00〜
会場:なんばHatch(大阪市浪速区湊町1-3-1)
料金:6000円(ドリンク代別途要)
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