時代に媚びずに21年、「おもろい」を追求し続ける笑い飯

2021.11.20 19:45

お笑いコンビ・笑い飯(左から西田幸治、哲夫)

(写真4枚)

2001年からスタートし、今年は来たる12月19日に迫った『M-1グランプリ2021』。若手漫才師が目指す頂であり、今では日本中のお笑いファンが注目する年末の恒例行事となっている。そんな同大会で「9年連続決勝進出」という金字塔を打ち立て、2010年の10回大会で悲願の優勝を果たし、「M-1の申し子」とも言われるのが、お笑いコンビ・笑い飯だ。

互いにボケを連発し続ける「Wボケ漫才」で、お笑い界に旋風を巻き起こした彼ら。結成21年目を迎えた今もスタンスを変えることなく、テレビや舞台、YouTubeなど形には執着せず、ひたすらに「おもろいこと」を追求し続けている2人に話を訊いた。

取材・文/田辺ユウキ

後輩と同じ舞台に立って、「スベってられへんな」って(西田)

──先日の結成20周年の全国ツアーの記者会見で、西田さんが「後輩が『M-1』に出ているのを見ると刺激をもらう」とおっしゃっていましたね。やはりそれが笑い飯としての活動の原動力になっているのでしょうか。

西田:後輩が一生懸命やっているところを見ると、同じ舞台に立ったとき「スベってられへんな」という気持ちになりますね。過去に優勝しているとは言え、『M-1』のチャンピオンは大会ごとに年々増えていくわけですし。

哲夫:僕は2011年に気まずさを感じたことがあったんです。2010年に『M-1』が一度終わって、『THE MANZAI』が始まった。自分のなかではそのとき「もう『M-1』で優勝したから」という雰囲気があって、『THE MANZAI』も後輩たちと酒を飲みながら観ていたんです。

でも千鳥、学天即、テンダラーさんとか身近な人たちが頑張っているところを観て、仮病を使って体育の授業を休んでいる気分になりました。そのとき思ったんが「2012年は『THE MANZAI』に出たい」。今でも『M-1』を観ていると、仮病を使って休んでいる感覚があります。

西田:僕はどんな場でも後輩に譲ってあげたい気持ちはないですけど、ただ『M-1』もずっと出ていたし、いろいろ見慣れてしまったところがある。若いときにあった何かが失われてきている感覚は間違いなくあります。もしも今『M-1』に出たとしても若手に敵わないはず。懸ける想いやエネルギー的なものでしょうね。

──笑い飯としては『M-1』みたいな刺激的な場所を欲してはいるんですか?

西田:それは劇場だろうが、テレビだろうがどこでもありますね。今『M-1』に出たら敵わないかもしれないけど、後輩に負けたくない気持ちも当然あります。いつまでも「あの人はおもろい」と言われたいですから。

哲夫:僕は漫才を闘いとは思っていないからやりあう気持ちはないけど、お客さんや視聴者をとにかく笑かしたい。よくインタビューで聞かれるんですよ、「ライバルは誰ですか?」と。でもライバルとかの意識がないんですよね。誰かを笑わせたいだけなんで。

──どうしても戦い合うイメージで語られがちですよね。

哲夫:そうそう。だからランキングとかも、おもしろみでそうなってるだけで・・・漫才番組としてやるなら、『漫才Lovers』(読売テレビ系)みたいな感じでランキングをつけずに、ただ普通に漫才を見るっていう。だから今の漫才は、そうやって闘い合う形式を見せる嗜好品にもなっているとは思いますね。あまり誰かに勝ちたいとかはなくて、それは結果論ですし。

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