上半期の洋画ベスト3はコレ! 評論家による映画鼎談

2021.9.5 17:15

左から、春岡勇二、ミルクマン斉藤、田辺ユウキ

(写真5枚)

3人が選ぶベスト3は?

春岡:あと俺は、さえない中年男があることがきっかけに大乱闘して、派手にエスカレートしていくっていう映画『Mr.ノーバディ』かな、大好きな世界観。普通のおっさんが実はすごいという。スーパーB級映画。

斉藤:というかイリヤ・ナイシュラー監督があんなちゃんとした映画撮るとは考えてもみなかった。YouTubeで主観ショットで全編撮ったハードなアクション映画の短編が、前作『ハードコア』(2015年)のオリジナル。スタイルで突っ走る監督かなと思ってたけど、案外器用やん。

話は変わるけど、韓国のインディペンデント勢もやはりおもしろい。新人のキム・チョヒ監督『チャンシルさんには福が多いね』とか、そのチョヒ監督がずっとプロデューサーで付いてた巨匠ホン・サンス監督の、「愛する人とは一緒にいるべき」と信じて疑わない女性が、友人たちとの会話などを通して少しずつ変わり始めていく『逃げた女』。

田辺:でも『逃げた女』は、男性が映画の物語の枠外へ排他された世界が舞台となっていて、そのフレーム感覚がちょっとびっくりしました。

斉藤:近年のホン・サンスにはやや、そんな兆候もあったけど、でもここまで女性寄りの映画ってなかったよね。ホン・サンス映画ではおなじみのあの下品なズーム(笑)も効きまくってるし。

あと、過激化組織IS(イスラム国)に誘拐された写真家が、奇跡的に生還するまでを描いた『ある人質 生還までの398日』かな。脚本はスザンネ・ビア監督作を手がけてきたアナス・トマス・イェンセン。ま、彼自身も優れた監督でもあるんだけど、イスラーム過激派ISの例のネットを利用した人質事件とその周辺をドキュメンタリ的に描いて魅せる。

田辺:さて、外国映画の3本はどうしましょう。日本映画は個々で3本挙げましたけど、(洋画は)総括でいきましょうか。

斉藤:『アメリカン・ユートピア』と『ノマドランド』は外せないからね。あとは『クルエラ』か『1秒先の彼女』かな。

春岡:上位2本はどうしようもない。韓国映画『夏時間』の瑞々しさも捨てがたいところだけど、ここは『1秒先の彼女』かな。

田辺:個人的には『ブータン 山の学校』を推したいのですが・・・、でもあと1本は『1秒先の彼女』ですね!

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