重力、張力、引力・・・「見えない力」から捉えた世界がここに

2021.3.25 06:15

『間-5つのII』 1975 / 2016年 ゼラチン・シルバー・プリント

(写真5枚)

ドイツ・デュッセルドルフと大阪を拠点に活動している美術家、植松奎二(1947~)。彼の大規模な個展が、「芦屋市立美術博物館」(兵庫県芦屋市)で開催されている。

植松は1969年から活動を開始。石、木、鉄、布、ガラスなどを用いてインスタレーション、彫刻、写真、映像、パフォーマンスなどを制作している。一貫しているのは、重力、張力、引力といった見えない力の法則から世界を捉えようとしていることだ。

例えば、大きな立体が絶妙のバランスで姿勢を保っていたり、ドローイングの自由な線が立体化して空間に放たれていたり。彼の作品には見えない力の存在が確かに感じ取れると同時に、そこにはある種の美が発生しており、作品の大きな魅力となっている。
 
植松は1年をかけて会場空間をリサーチし、ここでしか生み出せない作品を制作。その典型が、万力でジグザグに留められた8本の角材を、宙に浮かせた作品『見えない力-軸・経度・井戸』だ。角材を吊る複数のワイヤーは水を張った水盤から天井のフック経由で伸びており、その緊張感、そして軽やかさは、まさに植松奎二ワールドの真骨頂である。

本展では4つの章で構成されており、インスタレーション、彫刻、写真、ドローイングなど21の展示が見られる。また、会期中の第2・第4土曜には映像作品の上映も行われ、植松の作品世界をより多角的に体感できる。期間は5月9日まで、一般700円。
 
取材・文/小吹隆文(美術ライター)

『植松奎二 みえないものへ、触れる方法-直観』

日時:2021年3月13日(土)~5月9日(日) 月曜休 ※5月3日(月・祝)開館、5/6(木)休館
時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで
会場:芦屋市立美術博物館(兵庫県芦屋市伊勢町12-25)
料金:一般700円、大高生500円、中学生以下無料
電話:0797-38-5432

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