竜星涼「人を好きになるのに性別は関係ないと思えた」

2020.9.3 19:15

大和を演じるにあたり「弟キャラなので髪の毛を下ろして欲しい」と要望されたそう。いつもの竜星さんとのギャップに驚くはず

(写真9枚)

「一番欲しかった役者としての自信が芽生えた」

──大和のような純朴な青年だけでなく、シリアスな役、コメディタッチの役と竜星さんはとても演技の幅が広い役者さんだと思うのですが、転機になった作品などはありますか?

劇団☆新感線の舞台『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』はターニングポイントでした。それまでは、演技が分からないながらも必死にやっていましたけど、オファーをいただいたときに俳優として成長するには「これだ!」と思ったんです。ちょうど、自分のなかで何かを変えていかないとここまでになっちゃうな・・・と感じていたので、チャンスだと。

自分にとって第2のスタートで、ここで頑張れるかどうかで今後が決まるという覚悟があったんですよね。役柄上、女形の着物裁きや所作なども必要だったので、舞台稽古がスタートする直前まで日舞などの稽古を積み、ボロボロの状態で舞台稽古に入るなど本当に大変でした。

──そこまでの覚悟で挑んでらっしゃったとは!

僕、初めて観た舞台も劇団☆新感線なんです。『髑髏城の七人~アカドクロ』だったのですが、舞台って楽しいんだなと思ったと同時に、そこには極めた人間しか立てない、と思ったほど圧倒されました。

だからこそ、「望んでも立てない人がいるのに、極めていない俺が立っていいのかな。じゃあ、いつなら立てる?準備ができたころには立つチャンスがないかもしれない。実力不足は仕方ない。後悔しないように、自分のなかでやり尽くしてみよう」と。

そんな風に覚悟を決めてやった結果、一番欲しかった役者としての自信みたいなものを得ることができたんです。ようやく役者に向いているかも、役者をやっていて良かったとも思えました。

2018年は上半期が舞台、下半期はNHKの『昭和元禄落語心中』というドラマで落語家を演じて、大変なことをやるのが続いたけど、それに挑戦した、やり遂げたということが今の自信に繋がっています。自信って大事なんですよね。

スカウトされて芸能界に。高校生のときの夢は、パティシエだったそう!

──確かに、その辺りから竜星さんの演技がより印象的なものになっていった気がします。読者のなかにも、頑張っても結果がでなかったりして、自分に自信が持てない人たちもたくさんいると思うのですが、何かメッセージをいただけますか?

何か本気でやっていればどこかで見ている人がいる。その人が、きっとどこかで引き上げてくれる。だからこそやり続けることが大切だと思います。

──最後に、今後はこんな役者になりたい!という目標はありますか?

チャレンジさせたいと思ってもらえるような役者。イメージに合わせて役を提案されるよりも、この人って全然イメージじゃないけどこの役に挑戦させてみたい、そんな役者になれたら素晴らしいなと。挑戦することによって、自分も知らない新しい自分に出会えるかもしれないですしね。

『リスタートはただいまのあとで』

2020年9月4日(金)公開
監督:井上竜太
原作:ココミ著書『リスタートはただいまのあとで』(プランタン出版)
出演:古川雄輝、竜星涼、村川絵梨、佐野岳ほか
配給:キャンター

©2020 映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

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