蓮オタク和尚・ハッスー、悔しさバネに新品種や蓮茶を独自開発

2020.7.19 14:15

奈良「生蓮寺」住職・高畑公紀さん

(写真9枚)

独自開発、日本で唯一の蓮茶「蓮霊茶」

蓮和尚は、とうとうオリジナルの蓮茶まで独自開発。生蓮寺の蓮の葉を50%以上使用し、あの大きな葉を自ら細かく刻んで作ったものだ(720ml 1980円)。

熟成することでまろやかな味わいが実現した、蓮和尚独自開発の『蓮霊茶』

蓮茶には3タイプあり、蓮の種の芯を集め乾燥させた「蓮芯茶」、蓮の花の香りを緑茶に香りづけした「蓮花茶」、蓮の葉っぱから抽出したエキスの「蓮葉茶」。

和尚が開発した『蓮霊茶』は蓮葉茶の種類。何が日本で唯一かというと、「熟成させた」という点だ。「淹れたての蓮葉茶は、若々しい痛さがありおいしくないです。でも、たまたま放置したものを飲んだら味が全然違う。甘くなっている!」と偶然にも大発見。この経験をいかし、熟成させた超まろやかな蓮茶が完成した。

2019年6月15日、住職に就任した際のスピーチで、蓮和尚は「蓮茶は漢方として私達の身体を清めてくれ、ご先祖様と私達をつないでくれる。この蓮茶の文化を世に広げることが生蓮寺の住職としての私の使命」と宣言。この『蓮霊茶』は、年間270本の限定生産となる。

一蓮托生の夢「蓮の極楽浄土をつくりたい」

蓮寺として有名な同寺は、弘法大師ゆかりの寺でもある。嵯峨天皇の皇后が懐妊の折、地蔵菩薩に祈願し、皇子安産のために本尊の地蔵尊が安置されたと伝わる。そして、弘法大師空海が高野山創建の道中、同寺に立ち寄り、晴れ祈願をして胎内に自刻の小地蔵(秘仏/雨晴れ地蔵)を納めたという寺伝が残る。実際にご本尊胎内には、平安時代作の秘仏がおり、50年に一度ご開帳されるという。

弘法大師空海が、晴れ祈願をした寺伝が残る。そのため、全国でもめずらしい「晴れ乞い祈願」の寺として知られる「生連寺」

「世界で一番蓮が大好きな私が、生蓮寺の住職になったのは偶然ではなく、必然」とユーチューブでも熱弁をふるう蓮和尚。「蓮でつながるご縁を広げることが生蓮寺の未来を切り開く。蓮茶の先には、蓮の極楽浄土をつくりたい」と、まさに蓮と一蓮托生の夢を語った。

境内に120品種300鉢の蓮が咲き誇る「生蓮寺」(奈良県五條市)

取材・写真/いずみゆか

生蓮寺

住所:奈良県五條市二見7-4-7

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