松本穂香「見て欲しい、愛されたいという気持ちで演じた」

2020.3.21 21:00

大阪府堺市出身でもある松本穂香

(写真7枚)

「私たちの芝居とか、感情を大事に撮ってくれた」

──お母さん役のともさかりえさんはどうでしたか?

ともさかさんとはそんなに撮影が一緒の日がなかったのですが、現場ではとてもフラットな方でした。役が激しいのに、ガッと変わるのではなく、ス~っと入っていく感じでいかれる方なので、すごいなって思いながら見てましたね。

──ともさかさんは映画でも舞台でも、あの佇まいというのはなかなか類例のない感じに到達されてますしね。

本当に素敵な役者さんです。

──妹役の今泉佑唯さんとの関係性もユニークですよね。お父さんに対する接し方がかなり違って。

妹は明るくていいなぁ、とか。何を考えてるのか判らないってところもあったりしましたね。

毎日のように意識がなくなるまで飲んで帰ってくる父を演じたのが「渋川清彦さんだったからこそ、憎めないんですよね」と話す松本穂香
毎日のように意識がなくなるまで飲んで帰ってくる父を演じたのが「渋川清彦さんだったからこそ、憎めないんですよね」と話す松本穂香

──家庭の問題に対して、サキよりも軽々とすり抜けているような。

そういう感じには見えるけれど、実は思うところが妹にもあって、というのがありますよね。言われてみれば、妹との関係がけっこう難しかったのかなと思います。妹役を演じた、今泉佑唯さんは映画が初めてだったので、ちょっとでも緊張を和らげてもらえたらいいなと。お姉ちゃん役というのもありましたし(笑)、できるだけコミュニケーションを取れたらいいなと意識して現場にいました。

──サキがずるずるDV彼氏との関係を断たないことによって姉妹の関係性も変化していきます。妹がある夜、そのことについてちょっと釘を刺すシーンの掛け合いは緊張感がひときわ増して素晴らしいと思いました。

妹とのシーンは、台本からかなり現場で変わりました。やってみると「ちょっと違うな」「こういうことはしないな」ってことがいっぱい出てくるので、現場で作っていくというのが多かったです。監督は、気持ちの悪いところがあったら全然やらなくていいよ、ってスタイルでいてくださったので。私たちの芝居とか、感情を大事に撮ってくれる監督ですね。

──片桐監督と松本さんは同じ大阪人ですよね。

大阪人です(笑)。現場で、私は普通に標準語だったんですけど、(監督は)関西弁でしたね。

監督はどのシーンもテイク数をそんなに重ねてはいないので、それが正解だと思って撮ってくださっていたんじゃないかなと思ってます。監督さんによっては、ここで、この間でこれを言って欲しい、っていう方がいると思うんですけれど、そういうのがほとんどなかったんじゃないかと。あまり余計なことを私もしなかったですし、それが良いんだろうなと思っていました。

意志が尊重され、監督からのディレクションも含め、「すごい安心できました」と松本

──2019年に出演された映画『アストラル・アブノーマル鈴木さん』の大野大輔監督も、かなり自由な演出術にみえるんですけど、「この間でこれを」っていう点に関しては異常に執着があるような気が(笑)。

大野さんは役に関して任せてくれていました。「あと五つ、間をください」や「六つ、間をください」など、「間」はすごく大事にされていました。片桐さんも任せてくれます。監督お二人とも一人一人のことを見ていてくださる監督さんだなと思いました。片桐さんはこの順番で撮ります、と私たちにも言ってくださるので、演じている方もすごく安心出来ます。

──そういうのは、これまであまりなかったんですね。

『ここから撮っていってこのあと寄ります』というのも普段は演じてる最中にカメラが移動して判るということが多いので。私は今まで言われたことがなかったので、事前に私たちにも言ってくださったのは、今考えるとすごいなと。

──確かにあらかじめ言ってもらっておいた方が演じやすいですよね。

なんか覚悟ができます。

──大野さんなんかはわざとそういうの言わなそうな感じですけど(笑)。

大野さんはコミュニケーションもあまり取っていませんでした(笑)。話しかけられることもなく、ほかのスタッフさんと話しているところも見たことがないくらいでしたね。面白い方ですけどね(笑)。

『酔うと化け物になる父がつらい』

2020年3月6日(金)公開
脚本・監督:片桐健滋
脚本:久馬歩(お〜い!久馬)
出演:松本穂香、渋川清彦、今泉佑唯、恒松祐里、濱 正悟、浜野謙太、ともさかりえほか

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