かき氷の街・奈良で増える「おかず氷」

2019.6.29 08:00

「氷匠ル・クレール」の「スーパーエビチー」。なかにはオマールエビ入りで、ミルクシロップやアメリケーヌソースを使って

(写真9枚)

「かき氷の街」として定着しつつある奈良で、新しいムーブメントとなっているのが「おかず氷」。ナスビやトマト、ワサビ、パスタなど、「もはやスイーツじゃないのでは?」とツッコミたくなる食材を使った斬新なかき氷がなぜ奈良で増えているのか? その謎に迫ります。

「おかず氷」という新ジャンルを生んだのは、人気フレンチの期間限定ショップ「氷匠ル・クレール」。もともとは、フレンチのデザートをアレンジしたメニューが中心でしたが、「お客さんを驚かせたい。ワインと一緒に楽しめる大人のかき氷を作りたい」と、フォアグラのエスプーマやムース、黒トリュフ、ついには最高級ランクのキャビアを使ったかき氷(10万円と価格も最高級!)など、唯一無二のかき氷を次々と登場させてきたのです。

これまで、奈良のかき氷といえば、名産であるイチゴや大和茶を使ったものが定番。しかし、かき氷を食べ歩く「ゴーラー」と呼ばれる人々が「氷匠ル・クレール」のような個性派に興味を持ち、連日整理券を求めて朝から行列。その様子を見た、ほかのショップも「甘くなくていいんだ」と、自分のお店の強みを活かしたオリジナル氷に着手。結果、無料で配布される今年の「奈良かき氷ガイド」には、いろんな「おかず氷」が登場しています。

「尾崎珈琲店」のトマトとナスのかき氷用の食材。冬には大根を使ったかき氷を提供予定だそう
「尾崎珈琲店」のトマトとナスのかき氷用の食材。冬には大根を使ったかき氷を提供予定だそう

とはいえ、「写真を見ても味の想像がつかない・・・」と、ドキドキしながら注文するお客さんが多いのも事実。しかし、ひと口食べると「味のバランスが良くて、かき氷として成立している」「塩味や辛味などいろんな味や食感が隠れているので食べ飽きない」と驚く人も。また、甘いのが苦手でかき氷を敬遠していたという男性にも「これなら食べられる」と好評だそう。

2014年から、かき氷のお祭『ひむろしらゆき祭』がはじまって以来、続々とかき氷提供店が増えている奈良。お店によって氷の食感にも特徴があり、写真は「TRICO氷果店」
2014年から、かき氷のお祭『ひむろしらゆき祭』がはじまって以来、続々とかき氷提供店が増えている奈良。お店によって氷の食感にも特徴があり、写真は「TRICO氷果店」

「おかず氷」と言えども、トマトなら独特の青臭さを消す工夫がなされたり、醤油に黒蜜を合わせた特製シロップで甘さもきちんと加えるなど、スイーツとしてのかき氷らしさが残っているのがポイント。これから、ますます増えてきそうな奈良の「おかず氷」。まずはこちらの5店で初体験をどうぞ!(繁忙期は、整理券などが必要な店舗、かき氷の提供期間や時間などが不規則なお店もあるので、事前にお店のSNSで確認を) 。もちろん、甘いかき氷も楽しめます。

「TRICO氷菓店」
住所:奈良市薬師堂町20-2
営業:12:00~18:00 ※不定休、営業日はSNSで要確認
電話:0742-25-2788(営業中は対応不可)
※夏期は12:00から整理券配布(デポジット1,000円が必要)

「尾崎珈琲店」
住所:奈良市西寺林町28-6
営業:11:00~18:00 ※火曜休み
電話:0742-93-8863

「奈良イタリアン バンブーノ」
住所:奈良市今御門町22
営業:ランチ11:30~14:00、カフェ14:30~17:00、ディナー18:00~22:00 ※かき氷は14:00~。火曜休み
電話:0742-27-0072

「氷匠 ル・クレール」
住所:奈良市高天町48 森田ビルB1F
営業:10:00~15:00 ※木曜休み
電話:0742-27-6060
※9:30から、整理券配布

「柿の葉ずし 平宗 法隆寺店」
住所:生駒郡斑鳩町法隆寺1-8-40
営業:9:00~17:00 ※かき氷の提供は11:00~(変更の場合あり)、無休
電話:0745-75-1110

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