関西うどん界伝説の味を継承する弟子とは

2019.6.13 18:00

まずはうどんを2本、箸でつまんでちゅるりといこう。生じょうゆうどん650円(江戸堀 木田)

(写真7枚)

師匠の味とともに、名セリフも継承

途中からは自由にアレンジしてよし。5~6本まとめてつるつるっとすすって、かめばプルリと跳ねるような食感を楽しもう。木田さんに、なぜ、こんなレクチャー付きになったかと尋ねると、「うちのうどんは、注文が入ってから寝かせていた生地を切って茹で始めます。時間も掛かるしお待たせすることも多いのですが、やっぱりおいしい状態で食べてもらいたいという一心からですね」と、これまた以前、師匠から聞いた同じセリフだった。

続いては東三国の「うどん工房 天空」へ。店主の稲井政行さんは梅田の鮨店で17年勤めたが「梅田はがくれ」のうどんを食べてそのおいしさに驚き、弟子入りしたという。はがくれの閉店後、開業準備を経て2019年3月に独立開店した、最後の弟子だ。

ツヤツヤのうどんが到着。絞る前からスダチのいい香りが広がる。生じょうゆうどん650円(うどん工房 天空)

ここはやっぱり、生じょうゆうどんを食べておかねばと、注文。待つこと10数分、出されたのは。師匠にも兄弟子にも負けない、透明感あるピチピチのうどんだ。食べ方は知っているけれど、最初はスダチと醤油をかけてもらうことに。

風味豊かな醤油をきっちり2往復半かけてくれる(うどん工房 天空)

技や精神は「梅田はがくれ」を継承しつつも、うどんを打つ小麦粉の配合を変えるなど、両店とも日々進化し続けている。「江戸堀 木田」には「はがくれ」にはなかったひやかけうどんもある。注文を聞いてから揚げる天ぷらやおでんをアテに飲ませてくれるなど、時代に合わせたスタイルも見せる。

幕を下ろした名店の味を守る若き店主たち。じっと待ってでも食べる価値がある関西讃岐うどんの基本の味がここにある。もちろんこれからの進化にも期待しつつ、足繁く通わせていただくとしよう。

取材・写真/曽束政昭

「江戸堀 木田」
住所:大阪市西区江戸堀1-23-31
営業:11:00~16:30(土曜は~14:30)※売り切れ次第終了、日祝休
電話:06-6441-1139 

「うどん工房 天空」
住所:大阪市淀川区東三国4-17-7 メゾンハヤシ1F
営業:11:00~14:30、17:00~19:45(夜の営業は月・水・木・金のみ)
※売り切れ次第終了、日祝休
電話:06-6398-7729

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