関西うどん界伝説の味を継承する弟子とは

2019.6.13 18:00

まずはうどんを2本、箸でつまんでちゅるりといこう。生じょうゆうどん650円(江戸堀 木田)

(写真7枚)

平成30年9月に閉店した大阪駅前第3ビル地下の「梅田はがくれ」をご存じだろうか。関西讃岐うどんの先駆者であり、筆者を始め、こちらの店から讃岐うどんのおいしさを知った人も多いという伝説の店だ。

「梅田はがくれ」は、平成元年に創業。30年もの間、関西人に讃岐うどんのおいしさを伝え広めてきた伝道師だった。「うどんは刺し身や。混ぜたらアカンで、粘りが出るから。醤油は2往復半で、2本ずつ箸でつまんで食べてみて」と、初心者の客に「生じょうゆうどん」の食べ方をレクチャーするトークも名物だった。うどんは茹で置きせず「一定時間過ぎたうどんは、もったいないけど捨ててきた。ようけ捨てました。富士山ほどですわ」といいながらガハハと豪快に笑っていた。多くのファンに惜しまれながら「体力の限界」を理由に、天谷雅之さんは引退された。

そんな天谷さんのDNAを受け継ぐ店は、大阪に数店舗あるが、いわば伝家の宝刀「生じょうゆうどん」を継承するのは2店舗だけ。「江戸堀 木田」(大阪市西区)と「うどん工房 天空」(大阪市淀川区)だ。

徳島産スダチをしっかりと絞ってもらえる(江戸堀 木田)

まずは「江戸堀 木田」へ。店主の木田 泰さんは、梅田の家電量販店に勤めていた頃、頻繁に「梅田はがくれ」に通っていたと言う。毎回3玉注文することから「トリプルの兄ちゃん」と認識されていたとも。生じょうゆうどんの旨さに感動した木田さんは、脱サラして天谷さんに弟子入りした。ご実家は何と難波のかやくごはんの名店「大黒」を営む。ゆえにご実家と修業先で学んだかやくごはんもこの店の名物だ。

師匠の教えを守り、香川県産の香り高く旨みが濃い醤油、徳島のスダチを使用。「スダチを絞って、醤油は二往復半」と木田店主。師匠と同じく初心者には店主自らがセットアップしてくれる。あとは「混ぜずに2本ずつ」食べるのみ。ちゅるるとすすれば、むっちりとのど越しのよい「うどんは刺し身や」の言葉通りの食べ心地を実感できる。

「江戸堀 木田」
住所:大阪市西区江戸堀1-23-31
営業:11:00~16:30(土曜は~14:30)※売り切れ次第終了、日祝休
電話:06-6441-1139 

「うどん工房 天空」
住所:大阪市淀川区東三国4-17-7 メゾンハヤシ1F
営業:11:00~14:30、17:00~19:45(夜の営業は月・水・木・金のみ)
※売り切れ次第終了、日祝休
電話:06-6398-7729

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