大阪・北加賀屋に森村泰昌の個人美術館

2018.11.6 07:00

大阪市住之江区北加賀屋の芸術・文化の発信地にオープンした「モリムラ@ミュージアム」

(写真5枚)

名画や映画の登場人物、20世紀の偉人などに扮した作品で知られる、大阪市出身の美術家・森村泰昌。彼の個人美術館「モリムラ@ミュージアム」(大阪市住之江区)が、11月3日にオープンしました。

この美術館は家具のショールームだった建物の2階をリノベーションしたもので、外観は古い建物を生かしつつ、内部はまっさらな空間に生まれ変わっています。床面積は約400平米で、大小2つの展示室、白い闇の回廊(GalleryⅠ)と、時をかける箱庭(GalleryⅡ)に、ミニシアター(ギ・装置M)、ライブラリー&サロン(記憶の樹)、ミュージアムショップ(森村屋商店)を備えています。

美術家・森村泰昌さん。作品《肖像(ゴッホ)》[ベルギー版](1985/89年)の前で
活動は年2回の展覧会を中心に、トークやレクチャーなど多彩なプログラムを予定。11月3日から始まったオープニング展『君は「菫色のモナムール、其の他」を見たか? 森村泰昌 もうひとつの1980年代』は、森村が1980年代に制作した作品約30点で構成されています。作家秘蔵の初期作品が見られるとともに、80年代日本の現代美術の知られざる局面が垣間見える手がかりとなるでしょう。また同日から「国立国際美術館」(大阪市北区)で「ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代」展が始まり、こちらにも森村作品が展示されています。

北加賀屋では2009年から「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想」がスタートし、アーティストやクリエーターの活動拠点として整備が続けられています。「モリムラ@ミュージアム」のオープンにより、その動きが一層活性化するのは間違いないでしょう。2018年秋冬の、アートファン必見スポットです。オープニング展の期間は、1月27日まで、料金は一般500円。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

「君は『菫色のモナムール、其の他』を見たか? 森村泰昌 もうひとつの1980年代」

期間:2018年11月3日(祝・土)〜2019年1月27日(日)の金・土・日曜に開館
時間:12:00〜18:00 ※12/24・1/14開館、12/25〜1/10休館
会場:モリムラ@ミュージアム(大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F)
料金:一般・大学生500円、高中生200円、小学生以下無料

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