43年目のコーラスライン「情熱は今も」

2018.8.8 07:00

ブロードウェイミュージカル史上、歴史に残る名作『コーラスライン』が、本国アメリカから来日。写真は、来阪した演出・振付・再構成を手掛けるバーヨーク・リー

(写真3枚)

大阪を含む全国5カ所でおこなわれる名作『コーラスライン』の来日公演が、東京でまもなく開幕。ブロードウェイで1975年に初演された際にオリジナルキャストとして出演し、現在は同作の演出・振付・再構成を手掛けるバーヨーク・リーが来阪。作品の魅力を語った。

同作は、ブロードウェイミュージカルのオーディションのため、世界中からニューヨークに集まったダンサーたちが、それぞれの人生を語る物語。当時ダンサー/演出家のマイケル・ベネットが、俳優に比べて脚光を浴びることのなかったダンサーを主役に舞台を作ろうと、リーを含む大勢のダンサーを集めてワークショップを開いた。

「そのころ、多くのダンサーは雇われていなくて失業中。みんな、何故ダンサーになったのかなどをマイケルに話したけれど、これが作品になるなんて誰にも分からなかった。マイケルは過去に2つの作品を作っていて、私も出演していましたが、成功からはほど遠く、この作品もどうせダメだろうと思っていた」と振り返る。

「舞台のダンサーのように自分の仕事に愛と情熱を持って生きていくことを観客に感じてほしいですね」と話すリー
「舞台のダンサーのように自分の仕事に愛と情熱を持って生きていくことを観客に感じてほしいですね」と話すリー

そんなリーの思いとは裏腹に、作品は大ヒット。「マイケルはダンサー同士の緊張感を掻き立てるのがすごくうまかった。ワークショップではみんな友だちになれたのに、『今日の君のダンスは良くなかったね。あの人のほうがうまかったよ』とささやいて、競争心をあおるんです。それが嫌だなと思うことはあったけれど、舞台のためには良かったんでしょうね。私はもちろん、そんなことはしない(笑)」

では、リーならではの演出法は?「私はマイケルのメッセンジャーで、この作品を守り、忠実に引き継ぐことが仕事。出演者のベストを引き出し、舞台でプロとして生きるための基本も教えている。私は演出家というよりも先生なんです」

舞台誕生から43年。「そんなにこの作品にかかわって飽きないの?とみんなに聞かれるけれど、答えはノー。キャストで出演していたときと同じくらいの情熱は今でも持っている」と熱く語った。大阪公演は8月31日から9月2日まで、「オリックス劇場」(大阪市西区)にて。チケットはS席12000円ほか、現在発売中。

取材・文・写真/米満ゆうこ

ブロードウェイミュージカル『コーラスライン』

日程:2018年8月31日(金)〜9月2日(日)
会場:オリックス劇場(大阪市西区新町1-14-15)
料金:S席12000円、A席8000円、B席6000円
電話:0570-200-888

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