妖艶美の画家・岡本神草、京都で回顧展

岡本神草『拳を打てる三人の舞妓(未成)』大正9年(1920) 京都国立近代美術館
大正から昭和初期の京都で活躍した日本画家・岡本神草。独自の画風を追求しながらも、道半ばで早世した彼の画業を振り返る回顧展『岡本神草の時代』が、「京都国立近代美術館」(京都市左京区)で11月1日から始まります。
岡本神草は明治27年(1894)に神戸で生まれました。大正4年(1915)に京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大学)に入学。大正7年に卒業制作の『口紅』が『第1回国画創作協会展』に入選して、一躍新興美人画家として注目を集めます。祇園の舞妓をモチーフにしたその作風は官能性に富み、毒気すら感じるほどです。実は彼の同級生たちも同種の作品を制作し、神草と競い合った画家・甲斐庄内楠音も官能的な作品を発表していました。この時期、京都画壇の一部で特異な流行が起こっていたのです。

その後神草は菊池契月に師事し、作風が変化します。官能性を前面に押し出すことをやめ、そこはかとなく漂わせるスタイルに移行したのです。しかし、新しい画風を確立することは叶わず、惜しくも38歳の若さで病没しました。

早世の画家であるため、作品数が限られる岡本神草ですが、本展では彼の本画を可能な限り集めて展覧。素描、下絵、資料も加えて画業を展観します。また、師の菊池契月や同時代の作家も合わせて紹介することにより、神草作品の時代性や特異さが浮き彫りにされています。
文/小吹隆文(美術ライター)
『岡本神草の時代』
期間:2017年11月1日(水)〜12月10日(日)※月曜休
時間:9:30〜17:00(金土曜〜20:00)※入館は閉館30分前まで
会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町26-1)
料金:一般1000円、大学生500円、高校生以下・18歳未満無料
電話:075-761-4111
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
「何度も見たくなる」ファン続出、宇治×京アニ秘話[PR]
NEW 2025.9.12 17:00 -
京都アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
NEW 2025.9.12 14:00 -
万博・ポーランド館で人気、現地さながらの体験とは?[PR]
NEW 2025.9.12 13:30 -
【大阪・関西万博2025】最新情報まとめ!地元編集部が取材してわかった、人気グルメから穴場スポットまで
NEW 2025.9.12 12:40 -
大阪・関西ランチビュッフェ2025年版、ホテルの食べ放題を満喫
NEW 2025.9.12 10:00 -
万博で日本一やかましい祭!? 三重の魅力を1日で堪能[PR]
NEW 2025.9.12 07:00 -
大阪アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
NEW 2025.9.11 12:00 -
カード利用で街がもっと便利に。アメックスで繋がる輪[PR]
2025.9.8 07:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.9.1 10:00 -
グラングリーン大阪で食べる、買う、楽しむ! 14選[PR]
2025.8.29 10:00 -
神戸アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.29 10:00 -
関西人なら違和感に気付く!? 8コの異変探し[PR]
2025.8.28 08:00 -
新しいものを全力で楽しむ!OMOろい旅 in 熊本[PR]
2025.8.25 09:00 -
大阪ビアガーデン2025年版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.22 12:00 -
現地取材で発見!知らなかった宇治の魅力【2025年最新版】
2025.8.16 08:30 -
25周年「アンパンマン列車」で、ゆかりの高知へ[PR]
2025.8.6 11:50 -
京都・滋賀のおすすめビアガーデン2025年最新版
2025.7.23 13:00 -
奈良のおすすめビアガーデン2025年最新版
2025.7.15 15:00 -
関西のおすすめ音楽フェス・2025年最新版
2025.7.9 09:00 -
【カメリア・マキの魔女占い】2025年下半期の運勢は?
2025.7.1 00:00 -
神戸のおすすめビアガーデン2025年最新版
2025.6.30 11:00