安蘭けい「最強の喉」目指し再挑戦

2017.10.3 06:00
(写真5枚)

──安蘭さんの声をイメージしてフランク・ワイルドホーンさんが作曲された曲『ひとかけらの勇気』が、違うタイトル(『悲惨な世界のために』)になり今の世にも訴えるような歌詞になっていましたね。

心に迫る歌詞ですよね。メロディーは同じなのに歌うシチュエーションも全く違いますし、どちらがいいとか比べることはできないです。オリジナルにはない曲なので、まずこの曲を使うか悩まれたようです。最終的に演出のガブリエルさんが、このパーシーの持ち歌を石丸幹二さんだけではなく、私にも「歌ってみたら」と言ってくださいました。

昨年の舞台より 様々な衣裳で舞台にあがる安蘭
昨年の舞台より 様々な衣裳で舞台にあがる安蘭

──ワイルドホーンさんの作品には数多く出演されていますが、安蘭さんの声について彼から何か印象的なお言葉は?

「ソウルフルな声、魂の声」と言ってくださいました。そして「ベルト(地声)がいいからベルトで歌ってほしい」と。彼自身ベルトが好きなので地声で歌う曲が多いのですが、マルグリットの曲はとてもキーが高くレンジが広いので難しいですね。技術はもちろんスタミナが必要。それに豪華な衣装を着ているので、大変で・・・。

──衣装もそれぞれ世界観があり素敵でした。

1点1点こだわりのあるドレスです。最近の公演では衣装は1着、ということもあったので嬉しかったです! ウエディングドレスなど7〜8着ありました。カーテンコールでの赤いドレスは、実は舞台稽古のとき急に決まって。パーシー役の石丸幹二さんも赤い衣装で私も赤で、素敵な計らいですよね。

昨年の舞台より 赤い衣裳に身を包む安蘭と石丸

──女優としてさまざまな作品で活躍されていますが、今の課題などは?

この作品についてはやはり、まず歌です。男役と女優とではキーが全然違うので、ここ(喉仏)の位置を女優の歌では上げないといけない。男役の歌を歌うと、すぐ下がるんですが、上に上げる訓練ばかりしていると低音が響きにくくなるんです。高いところも歌いたいけど自分のいい声はこのへんかな?など、まだ探している感じです。両方確実に歌えたら最強なのですが。役柄としては軽いタッチの作品もやりたいですね。重厚な作品が多いので、枠にはまらずいろいろ挑戦したい、という欲が自分のなかにあります。

取材・文・写真(人物)/小野寺亜紀、写真(舞台)/渡部俊介

ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』

日程:2017年11月13日(月)~15日(水)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席13000円、A席9000円、B席5000円
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)

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