モヒカン男を演じた松田龍平「憧れある」
2016.4.8 13:00

モヒカン男を演じた松田龍平「憧れある」

売れないバンドマンが、妊娠した恋人を連れて7年ぶりに瀬戸内海の小島に帰郷。モヒカン頭がトレードマークの主人公・永吉を、俳優・松田龍平が演じた映画『モヒカン故郷に帰る』が4月9日から公開される。監督は『南極料理人』(2009年)、『横道世之介』(2013年)などの沖田修一。来阪した松田龍平に話を訊いた。

取材・文/春岡勇二 写真/木村正史

「ちゃんと『思い』だけで生きてる」(松田龍平)

──沖田修一監督との仕事はどんな感じでしたか?

沖田監督とは初めてだったんですが、楽しかったです。監督の作品はずっと観ていたので、今回一緒にやれるのがとても楽しみでした。撮影を重ねているうちに、だんだんとここは監督がOKって言うな、ここはもう1回って言うなっていうのが分かってくるんです。それを探っていくのが面白かったですね。沖田監督の思っていることとつながっていくというか。なにか、居心地がいいなって思ってました。

──徐々に分かり合っていくって感じですか?

分かり合っていくとも少し違う気がしますね。沖田さんがもう1回って言っても、大きくアクションを変えるとかそういうことじゃないんですよね。眉が動いたとか髪の毛が動いたとか、そんな感覚的な部分で、監督が求めてたことと何かが違うぐらいの加減なんです。それが面白かったですね。しかも監督に、ここはこだわっているんですかって訊いたら「いや、全然そんなことないです」って答えたり(笑)。

──何回もやらされて面倒だな、とかは思われなかったですか?

面白くって何回でもやりたいなって思ってました。

──感性が似ているのかもしれませんね。

そうですね。監督の方はどう思っているのかわかりませんけど(笑)。

──演じられた主人公の青年・永吉は松田さんにとってどういう役でしたか?

こういう青年に憧れているところがあるので、とてもやりたかった役柄でした。

──えっ、そうなんですか。どういうところに憧れるんですか?

うーん、なんですかね。真っ直ぐなところかな。なんかちゃんと「思い」だけで生きてるじゃないですか。頭で考えてないっていうか。

──確かにそうですね。

もうすぐ父親が亡くなってしまう状況のなかで、一緒に居る家族はそれぞれいろんなことを考えると思います。どうしようとか、なにをしてあげたらいいんだろうとか。でも、永吉は「そうか、オヤジ死ぬかもしれないんだ。だったらオヤジの願いを叶えてあげよう」ってすごくシンプルに考えるんですね。それがいいなと。誰かが死ぬかもしれないっていう状況になったとき、こういうやつがそばに居てくれたらいいなって思います。

──なるほど、そう言われるとわかります。ウジウジしてないし、素直に心情が出ていますね。そういうところは松田さん本人とは違う?

僕はいろいろ考えちゃいますね。それで怖くなってしまう。考えると恐れが出てくるんです。また、演じていると、そういう恐れを表現したくなってくるんです。これまで演じてきた役もそういうものが多かったし。ところが永吉はそういうところのない、つまり恐れを感じない、いい意味で振り切れている、これまで演じてきたことのない役だったので、とても面白かったですね。

俳優・松田龍平
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松田龍平(まつだ・りゅうへい)
1983年生まれ、東京都出身。大島渚監督の映画『御法度』(1999年)でデビュー。以降、映画を中心に活躍。2013年には、同年齢の石井裕也監督と組んだ映画『舟を編む』で主演。日本アカデミー賞ほか、校区内主演男優賞を総ナメにした。同年にはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で、ヒロインのマネージャー役で出演。全国的な人気を博す。2016年は、『モヒカン故郷に帰る』のほか、『ぼくのおじさん』(山下敦弘/2016年秋公開予定)が控えている。
URL:http://www.office-saku.com

映画『モヒカン故郷に帰る』
売れないバンドマン・永吉は、恋人・由佳の妊娠を報告するため、7年ぶりに故郷の島に戻ってくる。家では頑固おやじの治、カープ狂の母・春子、たまたま帰省していた弟・浩二が待ち構えており、一家総出のド派手な親子ゲンカが始まるが、なんだかんだ2人の結婚を祝う大宴会が催されることに。ところがその夜、治が倒れ、癌であることが分かり・・・。
2016年4月9日(土)公開
監督:沖田修一
出演:松田龍平、柄本明、前田敦子、もたいまさこ、千葉雄大、ほか
配給:東京テアトル
2時間05分
シネ・リーブル梅田ほかで上映
URL:http://mohican-movie.jp

  
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