『Meets』編集部の余談。

ギョーザの古屋京都移転日記。第8回

2020.7.2 10:14

カテゴリ:コラム

1988年創業。
味噌ダレ自慢の神戸餃子といえば!な[餃子専門店 古屋]が、
コロナの影響がいよいよ全国へと波及し始めた3月末、
神戸・元町の店を閉めて、京都へ移転するというではないか。
奇しくもその頃、ミーツは『京都特集』の取材真っ直中。
そこで、店主・古屋泰三さんの京都引っ越し~開店までを追う、
酒と涙にまみれた、期間限定の来京日記。

書いた人=古屋泰三さん
[餃子専門店 古屋]店主。今春、元町の自店も塩屋の自宅もたたんで、勢いで憧れの地・京都へ。趣味はサーフィン。この連載と並行して、HPでもコラムを執筆中。
www.gyoza-furuya.com/index.html


6月1日(月)

ギョーザの泰三 開店!

俺のアニキの室さんが開店祝いにこんな魂のこもった看板を作ってくれた。
あれこれ語ることが安っぽくなる。ありがとう。気合いを与えてくれる。
わざわざ俺のために。

開店の日、お店の町内の神社に参拝しにいった。
これからいろいろありますが、よろしくお願いします。
商売繁盛頼みますと、錦神社へ。

6月3日(水)

これで4回目の移転で5店舗目。
もうここまでくると「新しくオープンしました」なんて言うのが恥ずかしいから、
開店日を設けずに開店した。2カ月もギョーザを焼いてないし、そろそろ稼がないとヤバイ。
開店して3日目だが、やはりバッキーさん繋がりが8割、
店のある[しのぶ会館]の仲間が2割、神戸の仲間3組。
よしよし、いい感じのスタートだ。後は美味しい餃子を作ることに集中するだけ。
それでいい。そして出来るだけ清潔にして仕事を終える。
宣伝はじっくりと口コミが広がるのを待つだけだ。SNSもいいが、一番はやっぱり口コミ。
それから3日間働いて感じたことは、ハイボールがめっちゃ出る。チューハイはほぼ出ない。
なんでやろか? 元町の店ではチューハイがよく出たのになぁ。
ちなみに、餃子は全て注文が入ってから餡を混ぜて包んで焼いてる。
だから完璧に仕上がる。その反面、1人で切り盛りしてるから、
追加されたドリンクなどの数量を伝票に書くことが難しい。
書き忘れが絶対あるはず。ジョッキを冷やすスペースや、いわゆる「密」対策と、
問題は山積みよ。

バッキーさんがお店のスタッフを連れて来てくれた。
毎晩こんな感じ。楽しく夜がふけていくの図。
これ飲食店の基本中の基本。 

また、こうやって餡をこねる日々が始まった。ただ場所が京都に移っただけ。

6月9日(火)

オープンして10日ほど経った。
カウンター8席しかないから、と思っていたら大間違いで、不手際のオンパレードで問題山積みだけど、
経験上あとひと月たてばそれなりのローテーションが出来るはず。
今は目の前の問題を改善しながらパターンを作る。
では、その問題がなぜ起きるかを書いてみると…

1  カウンターだけのスタイルは初めて

2  バイトはいなくて全て俺1人で回すのは初めて

3  そのため追加されたドリンク等が伝票に書けない

4  レジが上手くない

5  ハイボールが異常に出る

その反面、ブラスなのは

1 全ての餃子を包みたてにしてるから完璧の餃子を提供している。
よって最高の熱々を出せているからお客さんは感動している反響がダイレクトにわかる

2 どうやらお店のロケーションは最高のようだ

以上のような感じをつかんでいる。10点中なら8点を与えてもいいと思う。
悪くないぞ。23年ほど神戸で積んだ経験のプラスとマイナスを凝縮させて餃子を焼いている。
売り上げは後からついてくる。追いかけてはいけない。

そして、仕事終わりの銭湯が1番の楽しみであり、この銭湯通いがしたいから京都へ来たのだ。

五条にある[大黒湯]は、家から2番目に近い銭湯だ。
しかも深夜1時まで開いてるから、
出来れば週2回は[大黒湯]に行けるように逆算して仕事を進めている。
昭和遺産に認定できそうな銭湯で、全てにおいて時間が止まったまま。美しい。
暗闇の五条の東に静かに灯るネオン。つい写真に収めてしまう。
サウナの温度は126度あるし湯船はおそらく48度やし電気風呂はマックスキツめやし、
ホンマに疲れが取れる。それだけで京都に来て良かったと思う。

六条烏丸西入ルにある天然名水[白山湯]は、
俺もまあまあ銭湯には行ってきたが、本当にすごい銭湯だ。
清潔感丸出しの店内に日替わりの薬草風呂が楽しいし、
なんと言っても風呂の水がホンマの名水。
溢れ出る地下水を使用しており、透明感が半端やない。
しかも驚いたことに、水風呂に打たせている冷水を、
常連さんはペットボトルに入れてお持ち帰りしているのだ。

京都の家は狭くて日当たりがよくない。
だからこそ最高のステレオを買いにヨドバシカメラへ行く。これは自分へのご褒美だ。
マランツのCDプレーヤー、マランツのアンプ、JBLのスピーカー。
スピーカーはJBLとダリと迷ったが、JBLの少しレトロなライブ感あふれる中音のアフターに惹かれた。
大きな音を流せないからこそ、いいスピーカーを購入した。
やはりスマホから音を出して聞いてたらアカン。

京都駅前のヨドバシカメラの半地下にあるサーティーワンアイスを食べながら
テラスでこれを書いている。この時間が大好きだ。

6月15日(月)

京都裏寺の店をオープンして2週間が過ぎた。
当たり前だが最初は店の導線が確立できてなかったから、動きがオロオロ情けない男やったが、
ぼちぼちギョーザを焼いてる後ろ姿も少しはマシになってきたと実感する。
2週間が過ぎた京都のお店の感想は、今のところ大満足。
23年ほどギョーザを焼いててようやく花が咲いた。
まさか京都に移転して、こんな感じの気持ちになるとは思っていなかった。

ギョーザが見えてきたのだ。

ただ、課題は山盛りある。そんなに甘くはない。


◎ギョーザの古屋の記事はこちら
https://www.lmagazine.jp/meets/

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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