第109回 実は行ったんですよ、安室奈美恵のラストコンサート。

2018.07.24
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6月☆日

読者のみなさま。

長らくお休みしましてすみません。

あれやこれやといっぱいいっぱいになっており、なかなか書けずに気づいたらだいぶ経っていました。

にもかかわらず、またこの場を用意してくださった京阪神エルマガジン社さま、そして読んでくださるみなさま、ありがとうございます。

6月☆日

お休みしてるあいだの大きなできごとといえば、パーソナルカラーと骨格タイプの診断と靴のサイズ測りに行ったことですね。なんやそら、と思われるかもしれませんが、これ、今までの44年の人生なんやったん?と思うくらいの重大なことでした。何年か前から流行ってるので聞いたことある人、実際行かれた方もいると思いますが、似合う色、服の形を診断するんですね。まずは足のサイズ測ったんですよ。わたし、足がダイビングの足ひれみたいな平べったい形してて合う靴が全然ない。ヒールとかどうやったら履いて歩けるん?て感じやったのですよ。さらに最近は外反母趾ならぬ内反小趾っていう小指側が痛くてつらいのに悩まされてて。あるとき、別のことでなんとなく見てたツイッターで同じような悩みの人がいて、そうしたら幅の広い靴がかえってあかん、ちゃんと測ってゆるくない靴履かなあかん、と。まじで?  こんな平べったい横幅広い足やん、と思いつつ、思い当たることもあれこれあったんで、その人のツイートさかのぼって目星をつけたとこ、3ヶ月予約待ち!みたいなとこに行ったんです。そしたら案の定、平均より狭い、特にかかとが小さい。その場で見本のいつもより2サイズくらい小さいのん履いたら、え、なにこのぴったり感。ヒールあっても余裕で歩けるやん。歩くってこんな楽なことやったん?? と怪しい宗教に引っかかった人みたいになったんやけども、そのあと自分でいろんな靴買ってはやっぱりいまいち、を繰り返し、今はちょうどいいサイズを見つけて快適です。それまで自分が思ってたサイズより、縦は1、2サイズ、横は2、3サイズ(ワイズいうやつね。Eで書いてるやつ。3Eとかと思ってたらEかその下のDやった)小さいのん、あと形の合う合わんもようわかるようになりました。

6月☆日

続き。その勢いで、パーソナルカラーと骨格も。色は、ネットとか見て自己診断してたので合ってたけど(春、夏、秋、冬、と色味で分かれてます)、さらに細かく見てくれてその中でもこの色とか、メイクはこれが向いてるとかも見てもらった。骨格のほうは、自分が思ってたのと違ってて、自分が今までは絶対似合わんやろうと手にも取らんかったタイプのほうが合うのが判明。ここからは、自分の好みの服と、似合う服とのせめぎ合い。好きなのをとるか、似合うのを取るか、どこで折り合いつけるか。はい、これ人生の諸問題全部同じと言っても過言ではない。好きな人と結婚するか好かれた人と結婚するか、好きなことを仕事にするか、向いてることや安定することを仕事にするか。最終的には自分の選択やけど、なにが向いてるかがわかるのは大事なことやね。

あとめっちゃ思ったんは、万人に似合う服、無難な服なんて存在せえへん。わたし、制服系がすべてアウトなんですよ。白も紺もプリーツスカートも、白い普通のTシャツも地雷。顔色が死ぬ。どうやったってバランス悪い。それって、学生時代、たまたま白や紺が似合う子はかわいく見えて、そうやない子はもっさりして見えたってことやん? いや、もちろん、顔の作りやらもろもろの努力の違いはあるけど、わかってるけど。今もファッション誌とか見ると「着やせポイント」「この形がやせて見える」とか書いてるけど、いやそれわたしがやると逆効果甚だしいから、ってなる。だから、ほかのいろんなことも、誰でもできるとか、普通のこととか、ないやんって思う。向いてる人向いてない人、合う人合わへん人、それぞれあるだけやん、って。

そんな感じで人生論にまで至ったので、大きなできごとだったのでした。

6月☆日

ほんで、そんなん所詮見た目やん、人間内面やで、薄っぺらい、と思う向きもあるかもわからんけど、それなりに見た感じを整えて外に出るっていうのは気分がだいぶちゃうもので、楽しいことも増えるしね。見た目がすべてではもちろんないけど、気分よく過ごしたいやん。洋服ぐらいでそれが多少なりともできるんやったら、全然いいことやと思うね。そして靴は健康に直結なので、これは是非とも。日本の人は幅広という思い込みが強いけど現代人はむしろ幅狭で、ゆるい靴を履くことでかえって足に負担かかってることが多いらしい。何十年か前までは下駄や草履やらで生活してたのと、そら足の形変わって当然やんな、って思う。

6月☆日

『寝ても覚めても』が映画化されたので、それに関する対談などが続く。

撮影は去年の夏にやってて、4回見に行った。雨続き&蒸し暑い日々で、映画作るのってほんま大変やなあと。『きょうのできごと』の撮影のときは真冬で夜中とかで寒くて死にそうやったけど、今回は暑さ。室内の撮影は音が入らないように空調まで止めるのにびっくりした。その中で涼しげな顔で演技している俳優さんたちはすごいの一言。小説は暑いも寒いも言葉で書くだけやから、と思う。今回は、濱口竜介監督も年下やし、もしかして撮影現場でわたしがいちばん年上?というのが、感慨深いものがありました。『きょうのできごと』のときは、右も左もわからん感じやったのに。そして、今回はスタッフさんの中に、わたしの小説を愛読してくれてる人が何人もいるというのがとてもうれしいと同時に不思議な感覚。小説書くのって家で一人でやってるから、本を出してもネットで感想見ても、今ひとつ実感がないところがあって、そうかー、何年か前に出したあの小説を読んでくれてる人がちゃんといるのやなあ、そういう人が『寝ても覚めても』の映画に関わってくれてるのやなあ、と。

映画は、9月1日公開です。公開までイベントごともあるし、関連した話もまた書きます。

6月☆日

雨が降って、急に寒くなったり、翌日はいきなり10度上がったり。この日記でも何回も書いてるような気がするけど、温暖化すると暑いか寒いかしかなくなる、というのを年々実感するよね。せっかく買ったほどよい季節の服、着るときがない。

6月☆日

実は行ったんですよ、安室奈美恵のラストコンサート。知人のライターさんがCD買ったら応募券ついてて2人分あるから名前書いときましょうか、って言ってくれて、そしたら当たったんです。東京ドーム。安室奈美恵のコンサート行くのは初めて。それがほんとに最後の日の前日の公演。いちばん後ろの席で、持って行った双眼鏡でもちっちゃくしか見えなかったけど、素晴らしかった!!! 3時間、みっちり歌って踊って。10代のときの曲も、わたしがはまった2005年以降の曲も、あれもこれも歌ってくれました。あんなピンヒールでどうやったら3時間もあんな完璧なダンスができるのか。途中で、19歳の時と5年前の公演の映像が流れて同じ曲を歌うところがあったけど、20年前より今のほうが歌もダンスもうまくてかわいいってどういうことやろ。ステージの端から端まで全力疾走する奈美恵に泣きました。そして、噂には聞いてたけど、ほんとに一言もしゃべらない。アンコールのあと、最後の最後だけ挨拶があったけど、選挙か!ってツッコみたくなるようなきまじめなコメントで、あー、奈美恵のこういう不器用なところがまたよかったんよなと。そして、わたし『見とれていたい』という好きな女優やアイドルについて書いた本の安室奈美恵の章で、「奈美恵」って書いてたら、「なんで“安室ちゃん”じゃないの?」って結構聞かれたんですが、ファンは「奈美恵」って呼んでました。アンコール始まりは『ONE PIECE』の特別映像やってんけど、そこでも「奈美恵の出発を応援してくれよな!」って言うてたし、公式に奈美恵です。エッセイに書いたときはそれを知ってたわけちゃうけど、MV見てたら「安室ちゃん」じゃないよなー、って自然と奈美恵になったのでした。そして「奈美恵ー」と呼ぶファンのみなさんも全体におとなしくて、大声で叫ばなくても心の支えにしてきた人が多いのやなって思いました。もう見られないのか、っていうのはまだ信じられないしさびしいけど、日々を支えてくれるような歌をたくさんありがとう、とほんとうにそれだけです。「Baby Don’t Cry」が聴けて感無量です。