「何もない日」を面白くする独自の視点、大阪在住ライター・スズキナオの魅力に迫る【かんさい熱視線】

15時間前

『かんさい熱視線』10月23日放送より。スズキナオさん (C)NHK

(写真8枚)

「読むと、日常が楽しいかもって、ちょっと思える」。そんな独自の視点で読者を引きつけるライター・スズキナオさんに迫る番組『かんさい熱視線』が、明日10月23日に「NHK総合」(関西地方)で放送される。

東京生まれ、大阪在住のスズキナオさんは、ウェブサイト『デイリーポータルZ』などを中心に執筆活動を続けてきたライター。30代半ばで会社員を辞め、身近な出来事や何気ない日常を独自の視点で切り取ったエッセーをつづっている。

『かんさい熱視線』10月23日放送より。スズキナオさんの著書 (C)NHK
『かんさい熱視線』10月23日放送より。スズキナオさんの著書 (C)NHK

『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』『家から5分の旅館に泊まる』『新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く』『捨てた紙、捨てられない紙』など、ユニークなタイトルの著書も話題に。何気ない日常が、読んだあとには少し違って見えてくるような世界観が魅力だ。

『かんさい熱視線』10月23日放送より。スタジオにて (C)NHK
『かんさい熱視線』10月23日放送より。スタジオにて (C)NHK

■「目立たない何か」を拾い上げる、創作の原点

番組では、スズキさん本人へのインタビューを通じて、独特な文章が生まれる背景を探る。

小学生の頃、カメラを片手に夢中になっていたのは、「街の中の、自分が変わっていると思ったもの集め」。雑誌『VOW』に投稿した写真が掲載された経験も、創作の原点のひとつだという。その後、大学の文芸学科に進学。会社員として働くなかで、効率化や利益を重視する仕事のあり方に違和感を抱くようになった。

「役に立たないものは切り捨てられていく厳しい世界だったから、その世界では自分はうまくやっていけないと思っていましたね」。

『かんさい熱視線』10月23日放送より。執筆するスズキナオさん (C)NHK
『かんさい熱視線』10月23日放送より。執筆するスズキナオさん (C)NHK

そう振り返るスズキさん。事業の効率化や利益の追求とは逆に、「スローなもの、取るに足りないもの、見向きもされてないものを掘り下げる」という創作スタイルには、会社員時代の経験も影響しているようだ。

番組では、買ったものの着る機会がなかった服を持ち寄り、好きなタイミングで着替えながら楽しむピクニックの様子にも密着。何気ない出来事を記事にするスズキさんの創作の裏側が紹介される。

『かんさい熱視線』10月23日放送より。スズキナオさん (C)NHK
『かんさい熱視線』10月23日放送より。ピクニックするスズキナオさん (C)NHK

「マイナスの価値が見いだされがちなところを、逆転させてプラスにもっていくみたいな。そういうものに憧れて、そういうものを面白いとずっと思ってきたので。みんなが見るのは派手な方、目立つ方だから、そっちじゃない世界に自分は重心を置いていたい」。

スズキさんが大切にしているのは、まさに、普段なら見過ごしてしまいそうなものに目を向けること。番組では、そんな姿勢がどのように文章へとつながっていくのかをひもとく。

■ 橋本直、加納愛子、武田砂鉄が語るスズキナオの魅力

スズキさんの作品に魅了されている著名人たちも登場。お笑いコンビ・銀シャリの橋本直、Aマッソの加納愛子、ライター・ラジオパーソナリティの武田砂鉄が、それぞれの視点から魅力を語る。

『かんさい熱視線』10月23日放送より。銀シャリ橋本 (C)NHK
『かんさい熱視線』10月23日放送より。銀シャリ橋本 (C)NHK

スズキさんの作品をほぼ読んでいるという橋本は、「情報がこれだけあふれている中で、脳がハックされていると思うんですけど、そこから解き放ってくれる。読んで街を歩くと見え方が変わってくる。あ、楽しいかもってちょっと思えるんですよね。違う眼鏡をすり替えた感じ」と注目する。

『かんさい熱視線』10月23日放送より。Aマッソ加納 (C)NHK
『かんさい熱視線』10月23日放送より。Aマッソ加納 (C)NHK

また加納は、「私も締め切りに追われて、小さい“事件”を起こして書くことがあるんですけど、そうじゃないとき、“事件”が何も起きないときの文章って、色気が出るんですよね。

スズキさんの文章の中の、何とかしようとする人と人との間の空気みたいなのが、すごく好きです。人とのお話に返っていくのが素敵だなと思う。スズキさんは、すごい行動力のある東海林さだおさんみたい」と分析する。

ライター・ラジオパーソナリティ 武田砂鉄
『かんさい熱視線』10月23日放送より。ライター・ラジオパーソナリティ 武田砂鉄 (C)NHK

一方武田は、スズキさんの作品が日々の暮らしにもたらすものについて、「『こんなんでいいんじゃない』っていう感じで背中を押すかのようなたたずまいがある」と評する。

特別な事件や劇的な展開がなくても、日々の暮らしには拾い上げる価値のあるものがある。スズキさんが文章を通して見せてくれるのは、そんな世界の別の見方なのかもしれない。

目立つものや効率のよさが重視されがちな時代に、あえて目立たないものに目を向けるスズキナオさん。その文章がなぜ多くの人の心をとらえるのか、創作の背景と愛読者たちの言葉から迫る。

『かんさい熱視線「スズキナオ なにげない日常の目立たない何かを拾い上げてみる」』は、2026年10月23日(金)・19:30〜19:57、NHK総合(関西地方)で放送。放送後1週間、NHK ONEで見逃し配信あり(全国で視聴可能)。

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