ミヤネ屋の後継『ニュースto』、“猛獣使い”黒木アナ&村上信五のMCが対照的? 初週を観て感じた親近感とは

20時間前

左から、『ニュースto』のメインMCに就任した黒木千晶アナウンサー、金曜MCの村上信五(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

(写真5枚)

新たなニュース番組『ニュースto』(読売テレビ・日本テレビ系)が、10月5日より放送を開始した。

同番組は『ミヤネ屋』の後継番組であり、月曜から木曜のメインMCには、報道番組の経験が豊富で、『そこまで言って委員会NP』(毎週日曜/読売テレビ)では“猛獣使い”とも呼ばれる進行ぶりを見せている黒木千晶アナウンサーを起用。金曜MCにはSUPER EIGHTの村上信五を抜擢するなど、鳴り物入りでスタートした。

■ 『ニュースto』の色、番組のネタや切り口は?

筆者は番組の最初の1週間(10月5日から9日まで)を観ていたが、放送に共通していたのは、前半に天気や政治など、国内外のニュースをパネリストたちと意見を交わしながら伝える構成だ。この辺りは他局のニュース番組と大差はないと言える。

ただ、中盤に『ニュースto』のカラーが見られた。月曜の日常のモヤモヤについて討論するコーナー「みんなのモヤモヤ解消 ニュースto 勝手にベストアンサー」では、薬局の受付でタッチパネルが使用されるなど、さまざまな局面でデジタル化が進み、高齢者が大変な思いをしているという内容について、パネリストたちが“ベストアンサー”を提示した。

『ニュースto』のメインMCに就任した黒木千晶アナウンサー(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
『ニュースto』のメインMCに就任した黒木千晶アナウンサー(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

火曜は『「○○界隈」モノ申す!〜こんなバカな話がありますか?〜』と題し、企業の情報流出、後輩育成の難しさなど、世の中の迷惑行為や困惑する状況について討論した。

さらに木曜はシャウエッセンによる“「時代に負けてたまるか」広告”を取り上げ、金曜は「賛否沸騰 アリ?ナシ?」のコーナーでライブ中に近くの観客が熱唱するシチュエーションや、客の手拍子で演奏がしづらくなるミュージシャンの意見などについて“アリナシ判定”をおこなった。

これらはいずれも、SNSやネットニュースでも話題になっているものだ。かくいう筆者も芸能ライターという職業上、こうした物議を醸すトピックスをくまなくチェックし、記事にできないかと日々考えている。そのため、番組で取り上げられるネタのチョイスや切り口などに親近感を持った。

まるで、Yahoo!ニュースのトピックスに並んでいる記事を、テレビで“見ている感覚”なのだ。そこでのパネリストたちの発言も、ニュース記事に寄せられる建設的な読者コメントを思わせる。

つまりその特徴は、社会全体に関わる大きなニュースを伝えるだけでなく、SNSやネットニュースで議論を呼んでいる身近な話題を積極的に取り上げ、パネリストたちの意見を通じて掘り下げていくところにある。社会的なニュースでは事実関係や問題の背景を理解することが重要になるが、身近な話題には、必ずしも明確な正解があるとは限らない。

『ニュースto』の金曜MCに就任した村上信五(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
『ニュースto』の金曜MCに就任した村上信五(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

だからこそ、パネリストの人柄や考え方の違いが浮き彫りになり、討論そのものを楽しむことができる。そこで示された答えもまた、視聴者自身の経験や価値観によって受け止め方が変わる。これは、日々のニュースや出来事を視聴者に自分ごととして捉えてもらいたいという、同番組の趣旨にも沿っている。

■ 黒木アナ&村上信五、異なる進行スタイルで魅せる

MCを務める黒木アナ、村上も上々の滑り出しを見せたのではないだろうか。黒木アナは、あえて「喋りすぎない姿勢」をとったように見えた。『そこまで言って委員会NP』では、確固たる持論を持つパネリストがそろっていることもあり、黒木アナにも発言の補足説明や議論の整理が求められ、場面によっては自らの発言を強める必要もある。その点、『ニュースto』では、パネリストからパネリストへと意見をきれいにつないでいく役割を担っていた。

一方、村上はあえて「喋りすぎるスタイル」をとったのではないだろうか。パネリストの発言一つ一つにリアクションを示し、ときにはその言葉を繰り返すなど、積極的に議論に入り込んでいった。視聴者によっては好みが分かれるリアクションかもしれないが、黒木アナとは対照的な進行スタイルが、金曜日ならではの番組の色を作り出していた。今後、回を重ねる中で変化も見られそうだ。

『ニュースto』の会見中も笑顔を見せる村上信五(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
『ニュースto』の会見中も笑顔を見せる村上信五(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

一部の番組批評では、番組内容やパネリストの顔ぶれが『ミヤネ屋』とそれほど変わらないことなどから「新鮮味に欠ける」との声も挙がっていたが、SNSでは「宮根誠司がいないだけ」「親近感がすごい」という意見も見られる。20年も続いた『ミヤネ屋』が築き上げた充実したフォーマットを、あえて大きく変える必要はないのではないか。

いわば『ミヤネ屋』の“ヤネ”だけを替えたようにも映るかもしれないが、それは決して悪いことではない。長年の放送を通じて培われた番組の強みを引き継ぎながら、MCを黒木アナと村上に交代することで、新たな色を加えていく。それもまた、後継番組の一つのあり方だろう。

ちなみに最初の放送から1週間、筆者は大阪でおこなわれているさまざまな取材現場に足を運んでいたが、いずれの場でも報道陣の誰かが『ニュースto』の話題をしていた。在阪局制作のニュース番組ということもあり、関西のマスコミの注目度は特に高いと思われる。

『ニュースto』のメインMCに就任した黒木千晶アナウンサー(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
『ニュースto』のメインMCに就任した黒木千晶アナウンサー(10月2日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

ただ、番組はまだ始まったばかり。生放送ではパネリストの失言や進行上のハプニングなど、予期せぬトラブルが起きることもある。番組の真価が問われるのは、そうした事態で見せる対応である。20年続いた『ミヤネ屋』の土台を受け継ぎながら黒木アナと村上がどのように番組を切り盛りしていくのか、これからも注目していきたい。

文/田辺ユウキ 写真/Lmaga.jp編集室

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