【きょうから】秀吉時代の大坂城をVRで体感…NHK最新技術で「幻の城」に潜入、黄金の茶室や真田丸も

2時間前

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。大坂城を見下ろす絶景(提供写真)

(写真12枚)

NHKの大河ドラマ『豊臣兄弟!』で、改めて脚光を浴びている豊臣秀吉の城・大坂城。そのNHKが手がける最新のVR技術によって、秀吉時代の大坂城を体感できるVR歴史エンターテインメント『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』が、10月9日から「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)で開幕する。

■ 最大6人で大坂城へ…ゴーグルを装着してVR体験

最新の研究やシミュレーションを通じて、歴史上の人物や出来事を深掘りしていく番組『歴史探偵』(毎週水曜22時放送)などでもおなじみの「VR歴史体験」。有名な戦場や城の様子を、膨大な資料とNHKが誇る最先端の映像技術を駆使して詳細にVR化。体験した出演者が、あまりのリアリティに腰を抜かさんばかりに驚く姿を、番組で見た人も多いだろう。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』記者会見の様子(10月7日/NHK大阪放送局)
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』記者会見の様子(10月7日/NHK大阪放送局)

このようなVRを、新たな歴史コンテンツとして大勢の人に体験してもらう方法を探っていたNHK。複数人が一度に動いてもぶつからないための工夫や、途中で映像がストップしないギリギリのデータ量などを模索し、今年の春に東京で初公開。

大阪ではさらにそこから、「真田丸」の戦闘など約20分のシーンが追加された。随所で自分で動かせるアイテムも登場するなど、より没入感の強い歴史体験ができる。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』の様子(10月7日/NHK大阪放送局)
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』の様子(10月7日/NHK大阪放送局)

体験者は最大6名のチームに分かれ、最初に自分の名前を入力。さらに各種注意事項やゴーグルの使い方などのチュートリアルを受けたら、殺風景な会場のなかへ。スタッフにゴーグルを装着してもらい、いよいよスタートする。

声優・早見沙織が声を務める「大坂城の化身」に導かれながら、かつて「三国無双=世界一」と呼ばれた大坂城を見て回ることになる。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』VR体験の様子(10月7日/NHK大阪放送局)
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』VR体験の様子(10月7日/NHK大阪放送局)

■ いきなり空から大坂城! 秀吉の身長までリアルに再現

開始早々、大坂城を地上からではなく、まるで魔法の絨毯のように空から眺めるというのが、あまりにも新鮮だ。地面までの高さもリアルで、高所恐怖症なら足をすくませてしまいそう。

地上に降り立つと、秀吉専用に作られた絢爛豪華な橋「極楽門」から入場。床も天井も、360度くまなく作り込まれた空間に圧倒されるうちに、なんと秀吉本人も登場! 専門家の意見を参考に、身長約150cmと推定された秀吉。その小柄さにも、ちょっと驚かされる。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。極楽橋で舞う秀吉の幻影
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。極楽橋で舞う秀吉の幻影(提供写真)

今回の大坂城は、「大阪くらしの今昔館」(大阪市北区)に所蔵されている、当時の大工たちが遺した図面を参考に、最新の研究成果を反映しながら再現したもの。あの「黄金の茶室」など、とにかくキンキンギラギラな空間を観察するのに、思わず夢中になる。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。大阪会場から登場、秀吉の「黄金の茶室」
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。大阪会場から登場、秀吉の「黄金の茶室」(提供写真)

さらに、実際に大坂城で飼育されていたという動物が登場したり、名品の茶碗を手に取るように鑑賞できたりと、随所にVRならではの仕掛けも用意されている。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。武力や財力を知らしめた障壁画
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。武力や財力を知らしめた障壁画(提供写真)

■真田丸に潜入! 大坂の陣を“その場”で体感

しかし、時代は移り変わり、大坂城は徳川家康に攻め込まれる。

ここでは仮想の刀を手にして、戦闘中の真田丸に潜入したり、大坂城の天守を狙う大砲の発射風景を真横で見たりと、本当に臨場感がたまらない。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。大阪会場から登場、大坂の陣「真田丸」での攻防
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。大阪会場から登場、大坂の陣「真田丸」での攻防

没入しすぎて進路を外れそうになると、画面上にガイドが出てきたり、赤い格子が光って警告したりするなど、安全面にも配慮されている。

とても40分間とは思えないほど、長い長い旅から帰ってきたような没入体験ができた。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。秀吉の『一の谷馬藺兜』をはじめとした、戦国時代の名将たちの変わり兜や甲冑を3DCGで展示
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。秀吉の『一の谷馬藺兜』をはじめとした、戦国時代の名将たちの変わり兜や甲冑を3DCGで展示(提供写真)

■ なぜここまでリアル? NHKがVRで歴史を伝える理由

エグゼクティブ・プロデューサーの国見太郎氏は、「これまでNHKはたくさんの歴史番組を作ってきましたが、そのときに思いを込めて撮ってきた素材を、新しい目的で活用できる時代に入ってきました。VRであれば、どうしてもテレビの画面では伝えられなかった、大坂城の大きさや秀吉の身長なども実感できます」と、映像とは違う感覚で「歴史」を知ることができると話す。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』記者会見の様子(10月7日/NHK大阪放送局)
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』記者会見の様子(10月7日/大阪歴史博物館)

さらに大阪での開催について、「実際に身体を動かして感じ取った体験は、より記憶に焼き付きます。しかもここから徒歩圏内に、今の大阪城がある。この立地で開催できたことはありがたいし、このために作ってきたんだなと思います」と、この場所で開催することの大きな意義を語った。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。炎上する大坂城
NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』のVR体験イメージ。炎上する大坂城(提供写真)

『豊臣兄弟!』は現在、まさに大坂城が舞台となっている。世界有数の美しさを誇りながらも、わずか30年ほどで落城した伝説の城を、実際に歩いたような気分で見て回れる貴重な機会。今後ドラマを見たときの理解や楽しさも、より深まるはずだ。

NHKVR『サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~』

開催期間は2027年3月14日まで。営業時間は9時30分~17時(最終入館は16時)で、VR所要時間はチュートリアルも含めて約50分。チケットは事前申込制で、一般3500円、小・中・高生は1500円。土日祝は各500円増し。

取材・文・写真/吉永美和子

NHKVR「サムライの見た夢~幻の豊臣大坂城~」大阪会場

期間:2026年10月9日(金)~2027年3月14日(日)
会場:大阪歴史博物館6階特別展示室(大阪市中央区大手前4-1-32)
時間:9:30〜17:00(最終入館16:00)
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
入場料:事前予約・日時指定 一般平日3500円、土日祝4000円、小・中・高校生 平日1500円、土日祝2000円

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