初演技!本業ミュージシャン→第36回主役へ大抜擢で「どうやって見つけた」「ボーナスあげて」【豊臣兄弟】

1時間前

『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀長から贈られた着物を見て、涙する長宗我部元親([Alexandros]・磯部寛之)(C)NHK

(写真14枚)

仲野太賀主演で、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長(小一郎)が、兄とともに天下一統を果たすまでを描いていく大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)。


9月20日放送の第36回「姫若子(ひめわこ)と鬼若子(おにわこ)」では、秀長の四国攻めと、秀吉の関白宣旨という2つのビッグイベントが。そのなかでも、蜂須賀正勝の最後(?)の活躍と、長宗我部元親役の磯部寛之([Alexandros])の演技に注目が集まった。

■ なかなか降伏しない長宗我部…第36回あらすじ

紀州征伐を終えた小一郎は、長宗我部元親(磯部寛之)が統一を目前にした四国攻めの総大将を任される。

小一郎は、新たに配下となった吉川平助(松岡広大)の助けで、1000艘にもおよぶ船を集めて長宗我部軍を圧倒。先に投降した重臣・谷忠澄(堀部圭亮)を仲介役にして、元親に降伏をうながす。

しかし、土佐一国しか領地を安堵されないこともあり、元親は抵抗をつづけ、羽柴(豊臣)秀吉(池松壮亮)は苛立ちを見せ始めた。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。軍議に参加する羽柴秀次(山田涼介)(C)NHK

かつて、安土で元親と会話し、彼が好んで戦をする人間ではないと考えた小一郎は、忠澄を介して、元親が居城に置いてきた美しい着物を送り届ける。この着物を着たときの、心穏やかでいる姿こそが真の元親だという小一郎の言葉を聞き、元親は涙を流す。

届けられた着物を着て小一郎と面会した元親は、四国一統のために人を殺める日々が苦しかったと告白し、小一郎たちの天下一統の夢に協力すると宣言した。

■ 四国攻め以外に…“朝廷工作”描くのも珍しい

これまで大河ドラマでは、数々の戦国武将の物語が描かれてきたけれど、長宗我部元親VS豊臣秀吉の「四国攻め」がまるまる一話を使って描かれるのは、この『豊臣兄弟!』第36回が初めてのことになるそうだ。

さらには間違いなく日本史上最大の下剋上といえる秀吉の関白就任や、兄弟の出世に初期から帯同してきた蜂須賀正勝(高橋努)の総決算とも言える活躍など、多くの盛り上がりポイントがそろった回だった。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。1985年7月、京・妙顕寺で関白に就任した羽柴秀吉(池松壮亮)(C)NHK

四国攻めを秀長に任せて、自分は関白になる根回しに動いていた秀吉。ドラマでもちょっと説明があったけど、当時関白になることができるのは、藤原家一族の5つの家・・・「五摂家」のみ。

そこをクリアするために、五摂家の一つ・近衛家の養子(猶子)になるという力技を実行した。金と力はあるけど家柄は低い秀吉と、家柄は最高位だけどライバルの家を押さえつける力はない近衛家と、まさに双方の利害が一致していたのだ。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。近衛龍山(前久)(写真右、前野朋哉)のもとへ養子になることを頼みに来た羽柴秀吉(写真左、池松壮亮)(C)NHK

このミラクルの実現に、SNSでは「五摂家に金をばらまいて養子の椅子を買うってことかあ」「まず帝に恩を売る戦略正しすぎる」「ちゃんと関白になるための朝廷工作作戦描くのも珍しくない?」などの声が上がり、

さらに「身分によって人の扱いがどれほど変わるかを、わしはよう知っている」という秀吉の言葉には「穏やかに言ってるけど身分で苦しめられた憎悪を感じる・・・」「身分を語ることにかけては、そりゃまぁ秀吉の右に出るもの作中におらんで」と、説得力の強さをひしひしと感じる言葉も。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀吉(写真右、池松壮亮)の前に立ち上がり、養子を承諾する近衛龍山(前久)(写真右、前野朋哉)(C)NHK

さらに、秀吉が将軍ではなく、関白職を求めた理由として「武家のトップではなく、人民のトップに立ちたい」と明かしたことについても、「考えてみれば秀吉は武家の出身ではないので将軍職に憧れも何もなかった訳で、解りやすい最高権力者のレッテルが欲しかった、と」「そもそも信長時代の扱いを考えれば、秀吉にとって将軍はあまり魅力的ではないわけで」「『秀吉に信長を超えさせる! いわば秀長か』って宣言したその翌週に秀吉を関白にして信長超えさせる奴があるか」などの、納得とツッコミの言葉があふれた。

■ 余命1年!?蜂須賀、涙の説得に「走馬灯」

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。1000艘の船で四国を攻め込む策を提案し、家臣たちを驚かせる羽柴秀長(写真中央、仲野太賀)(C)NHK

一方、四国攻めを任された秀長は、できるだけ無駄な争いは省いていくという方向で、1000艘の船で四国に攻め入って、敵の戦意をくじくという物量作戦を実行。

SNSでは「船の数が敵というか悪党なのよ」「長宗我部も決して弱くはないんだけど、相手が悪過ぎる。物量が違いすぎる」「戦いは数だよ、兄貴」などの、元親への同情の言葉が。これが見事に効いて、あれよあれよと元親は孤立。しかし、秀長は無理に攻め込もうとはせず、あくまでも降伏をうながすという持久戦になった。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀長からの降伏を求める書状に、激怒する長宗我部元親([Alexandros]・磯部寛之)(C)NHK

秀長が出した条件は「土佐だけなら安堵するよ」ということ。しかし、土佐一国から四国全土を、死にものぐるいで掌握した元親にとっては、完全に「振り出しに戻る」なわけだから、簡単に承知できるわけがない。

交渉は長引き、ついに秀吉が動こうとするが、これは秀長に「ダメ大将」の烙印を押すようなもの。そこで兄弟の間に立ったのが、伝説の墨俣一夜城のときから兄弟の活躍を見てきた蜂須賀正勝! 上り調子の秀吉に、あえて苦言を呈することができるとしたら、古い家臣というよりも、長年の同僚に近い彼しかいないだろう。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀吉が京へ行っている目的を秀長(写真右、仲野太賀)から聞かされ、驚く蜂須賀正勝(写真左、高橋努)(C)NHK

「兄弟2人がお互いにわかり合ってることに惚れた。あの頃と同じようにわかり合ってるか?」と、巧みに目線を変えながら、静かに秀吉を説き伏せる正勝の姿に、SNSは「今の秀吉は正勝が惚れたような、弟と一心同体で突き進むお前なのかと突き付けてくる!!」「ずっと秀吉たちを見ているから本質が見えているんだよね」「古参しか踏み込めない領域」「主人公に初心を思い出させる幼なじみヒロインじゃん」「正勝しかできない秀吉の止め方」と、魂の説得に感動する声があふれ出る。

と同時に、回想を多めに交えた構成と、蜂須賀殿の史実の寿命を考慮して「ちょっとこれは・・・ここの回想シーンは・・・ちょっと正勝」「出会いの頃を思い出すとか、なんだか走馬灯みたいだよ!!」「初期は荒くれ者で何かあると1番に怒ってたのに丸くなったなあ・・・という見せ方されると、退場フラグじゃないかと疑ってしまう」「嫌だ嫌だ! ずっと元気でいて!」「蜂須賀殿、今のうちに人魚の肉を食いませんか? 煮付けにするんで」など、退場を危ぶむコメントがつぎつぎに上がっていた。

■ 初演技と思えない[Alexandros]・磯部

正勝のおかげで、3日の猶予をもらえた秀長。最後の説得の手段として、元親が城内に置いていった、姫君のような着物を送り届けた。

かつて安土城下で、たまたま会った元親と「戦は好きでするのではない」「女性のような着物を来ていると心が穏やかになる」という話をしていたことを思い出し、そのときの自分に帰ってくれたら・・・という賭けのような気持ちで送ったのだろう。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀長から贈られた着物を見て、涙する長宗我部元親([Alexandros]・磯部寛之)(C)NHK

だが、この読みは大当たりし、元親は「鬼」の仮面をかぶったような表情を崩して涙を流した。人間はやはり、自分が心底好きなものの前では無力なのだ。

SNSでも「あの時の着物だ!!(思い出パンチ)」「鬼若子を説き伏せるために姫若子をぶつけたのですか」「たかが着物と思うかもだけど、元親にとっては代え難いアイデンティティなのだろうね」「元親もわかってるのよ。でもそれを受け入れられなかっただけなのよね」「小一郎の人たらしめ。どうやったら人の心を動かせるか本当に分かってる」と、秀長の繰り出した思いがけない策略を称賛する言葉が。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀長(写真右、仲野太賀)から届けられた着物を着て現れた、長宗我部元親(写真左、[Alexandros]・磯部寛之)(C)NHK

そして、自分の好きな着物を着て、秀長と直で交渉を行った元親。実際に戦に疲れていたことと、美しいものが好きな自分こそが、本当の自分だと言われて救われたという礼を。

そんな元親に対して、秀長は「今からでも友だちになろう」という意味を込めて、一言「好きじゃき」。そんなことをストレートに、しかも自分の地元の方言で言われたら惚れるに決まってるやーん! と、SNSは大盛り上がり。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀長(写真右、仲野太賀)から笑顔を向けられ、思わず笑ってしまう長宗我部元親(写真左、[Alexandros]・磯部寛之)(C)NHK

「秀長と元親が親友になるという驚きの展開」「小一郎も正親も、根が優しいところがよく似てるんだよね。きっと良い友になるよ」「シンプルイズベスト。好きは強い」などの声に混じって、

演技が初とは思えない達者ぶりで元親を演じた磯部にも「本当に本業ベーシストか? 何十年もやってきた俳優ではなく?」「芸人さんで良きハマり役は毎年あるけども、ミュージシャンでここまで演技上手い人をどうやって見つけたんだ」「彼を大河に起用すると言い出した人にボーナスあげて欲しい」などの絶賛の声が相次いだ。

■ 秀吉が関白へ…秀長の本領発揮はこれから

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。1985年7月、京・妙顕寺で関白に就任した羽柴秀吉(写真右、池松壮亮)(C)NHK

そして、ついに秀吉は、あの藤原道長すら就かなかった(2024年の大河『光る君へ』では辞退したという設定だった)関白に就任!

絵に描いたような位人臣を極めた姿に、SNSは「あーーー関白秀吉爆誕!!! 遠いところまで来たもんだなあ」「農民から関白・・・改めて奇跡すぎる偉業です」「厳かな雰囲気の中、ちょっとヘラっと笑う秀吉がめっちゃ池松秀吉っぽくて良かったって伝われ」など、改めて前代未聞ぶりを噛みしめるようなコメントが上がっていた。

『豊臣兄弟!』第36回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第36回より。羽柴秀長の1000艘の大軍に驚く長宗我部元親たち。写真左から、土佐の戦国武将・長宗我部家の家臣・谷忠澄(堀部圭亮)、長宗我部元親([Alexandros]・磯部寛之)、嫡男・信親(林裕太)(C)NHK

従来の、秀吉が中心となる大河ドラマでは、秀吉がほとんど関わってない・・・というか、秀長から「来なくていい!」とハッキリ言われてしまった戦のため、ほとんど触れられることのなかった四国攻め。総大将の秀長が主人公となったおかげで、441年後にしてようやく本格的にドラマで描くことができた。

そのなかで長宗我部元親という、姫っぽい一面と鬼のような一面を持つ、なんとも魅力的な武将を大きくフューチャーすることができたのは『豊臣兄弟!』の功績の一つとなるだろう。

『豊臣兄弟!』第37回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第37回より。興福寺の使者・盤覚(写真左、坂口涼太郎)と話す羽柴秀長(写真右、仲野太賀)(C)NHK

ここまで来ると、西日本で残すのは九州のみ。その前に秀長は、来週大和国という新たな領地をゲットすることになる。とはいえそこは、奈良時代から仏教界が牛耳り、多くの武将たちを悩ませてきた、ある意味、魑魅魍魎の巣窟。さらに平定したはずの紀州も、まだ火種は消えきっていないわけで・・・。

これからは「武将・豊臣秀長」だけでなく「為政者・豊臣秀長」の方にスポットが当たっていくはず。彼の調整能力が、本格的に発揮されるのはこれからだ!

大河ドラマ『豊臣兄弟!』はNHK総合で毎週日曜・20時から、NHKBSは18時から、BSP4Kでは12時15分からスタート。9月27日放送の第37回「秀長の国」では、秀吉から新たに与えられた大和国に拠点を移した秀長が、仏教界と領民たちの間に立って、統治を進めていく姿を描いていく。

文/吉永美和子


【動画】余命1年!?蜂須賀、涙の説得に「退場フラグ」

【動画】1分38秒:一瞬の笑顔が“池松壮亮”っぽい

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