大阪屈指の名建築ホテルで、絶対食べたい「名物グルメ」とは?約半世紀愛されるメニューの秘密

3時間前

「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」が誇る、クラシックメニューのひとつ「海の幸のピラフ」。「これを食べたい!」と、長年通うファンも多いホテルの名物料理

(写真19枚)

大阪・中之島エリアは、「大阪市中央公会堂」をはじめ、「レトロ建築」の宝庫。その中でも、2025年4月に大改修を経て再スタートした「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」(大阪市北区)は、貴重な「泊まれる名建築」。今回は、大阪の名門ホテルに受け継がれる唯一無二の空間と、その特別な空間で一度は食べてみたい「名物グルメ」を紹介する。

◆ 伝統が息づくホテルで、天候に左右されず、ホテル内で楽しめる名建築巡り

国賓や皇室などをもてなす名門ホテルとして知られる「リーガロイヤルホテル」。90周年を迎えるにあたり、建て替えではなく改修を選択した理由のひとつは、1965年開業の本館をはじめとする昭和を代表する建築家・吉田五十八氏が設計した、建物や内装を継承するため。

「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」
「リーガロイヤルホテル」と聞くと、この「メインラウンジ」を思い出す人も多いのでは?

館内に、開業当時のホテルを感じられる場所は複数あるが、復活した吹き寄せる紅葉が描かれた緞通「万葉の錦」が敷かれた「メインロビー」や、その先にある滝が流れる庭園に面した「メインラウンジ」はホテルの顔。

設計は建築家・吉田五十八氏が担当

そのほかにも、伝統的な木造建築である「数寄屋造り」を、近代的なモダニズムと融合させた吉田らしいこだわりの光る空間が館内には多数。今回はその中から、毎年恒例のイベント『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪』でも人気のスポット「ラ・ロンド」と「リーチバー」の2つの空間を紹介する。

「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」外観

◆ 実は穴場?宇宙を感じる円形空間「ラ・ロンド」で、名物「海の幸のピラフ」を

「実は上にのっているカリカリのフライの加減が一番難しいんです」リモネの北川拓朗シェフが、長年シェフの間で作り方が受け継がれているクラシックメニュー「海の幸のピラフ」を解説してくれました

まず紹介するのは、フロアの中心の柱から朝顔の花のような曲線が天井に広がる円形空間「ラ・ロンド」。英国の陶芸家であるバーナード・リーチ氏の意向を取り入れて、吉田氏が設計した。

ライトアップされた日本庭園をのぞむ円形空間「ラ・ロンド」。今訪れても斬新で、唯一無二のデザイン。夜は混雑が少なく、穴場的レストランだ

柱にはガラスのモザイクタイルが手作業ではられていて、不規則な凹凸がさらに幻想的な空間を生み出している。

近くでじっくり見ると、絶妙に色の異なるタイルをひとつひとつ貼っているのがすごい!

「ラ・ロンド」は、「オールデイダイニング リモネ」から橋を渡ると現れるスペースで、夜は、アラカルトメニューやアルコールを楽しむスペースとして、利用されることが多いそう。取材時には、この場所を希望した外国人夫婦が、カウンターでゆったりとカクテルを飲みながら過ごす姿が見られた。

リーガロイヤル
食事はもちろん、バー使いもできる「ラ・ロンド」。「サンライズオレンジ」「ピーチソーダ」といったモクテルもオーダー可能(各886円)

ここでは、アラカルトメニューに注目。メニューのなかで常連客らから、ダントツの人気なのは、半世紀以上受け継がれている「海の幸のピラフ」。大きなカニの爪がニョキっと立つ、独特のビジュアルも変わっていないそう。

カニや貝、エビなど具沢山の「海の幸ピラフ」はレギュラーサイズ4554円(スモールサイズ3542円、)、「オニオングラタンスープ」はレギュラーサイズ2151円(スモールサイズ1771円)

リモネの北川拓朗シェフは、「ピラフはバターライスがベースですが、親しみのある味と感じていただける、お味噌や生姜など、和の要素が入っているんです。約50年前当時は洋食に和のものを使うことはタブーとされていましたが、そこをあえて取り入れたというのは、当時のシェフの先見の明。本当にお客さんに寄り添ったメニューだと思います」と、長く愛される理由について、見解を語る。

リーガロイヤル
大きな具がゴロゴロと入った「ロイヤルホテル特製 ビーフカレー」も長く愛されるメニューのひとつ

そのほか、牛肉のサイズが大きくなった「ロイヤルホテル特製 ビーフカレー」や、チーズの焼き色にこだわった「オニオングラタンスープ」などは、昔からある伝統メニューをさらにブラッシュアップ。

「青森サーモンのスモーク レムラードソース」(レギュラーサイズ3668円、スモールサイズ2657円)など、お酒と相性の良いメニューも多数スタンバイ

また、「青森サーモンのスモーク レムラードソース」は、北川シェフのおすすめメニュー。「水温の低い環境で育った青森サーモンは、脂分が多いノルウェーサーモンと、脂分が少ない秋鮭のちょうど中間のイメージで、一押しの食材です。ホテルで上質なものを召し上がりたい方に向けてご用意させていただきました」

夜は特に穴場で、ゆったりした座席で静かに食事やお酒が楽しめる

「ラ・ロンド」の特別な空間で、歴代シェフに大切に受け継がれてきた、ホテルレストランの技をいただいてみては。営業時間は11時~22時30分(ラストオーダー22時)。

1階のレストラン「リモネ」内にある、特別な空間「ラ・ロンド」

◆ 建築や民藝好きならぜひ訪れたい空間「リーチバー」で、名物「ジントニック」を

リーチバー
家具ひとつひとつも大事に磨かれ続けてきた「リーチバー」まるで美術館のような空間

もう一か所、「ラ・ロンド」とともにぜひ立ち寄りたいのは、建築や民藝、バー好きが大切にしたいと感じる空間「リーチバー」。

入口から雰囲気満点。ぬくもりのある木と、アイアンの組み合わさったこの外観が目印

イギリスの郊外の素朴な住宅「カッテージ」デザインの店内には、アイアン照明のろうそくのような優しい光が広がる。磨き込まれたバーカウンターの背後にはレンガのボトル棚があり、上部にはシンプルなジョッキが等間隔でかけられている。

カウンターに座ると、壁面にはたくさんのお酒が並ぶ。メニューに迷ったらバーテンダーに相談を

どこか素朴な雰囲気も感じられるのは、「日用品の美」を追求した「民藝」の同人により生まれたバーだからだ。「リーチバー」についても、名前の通りバーナード・リーチ氏の着想をもとに、吉田氏が設計。日本民藝運動のメンバーであったリーチ氏は、自身と河井寬次郎氏、濱田庄司氏、芹沢銈介氏、棟方志功氏の作品が調和する空間を目指した。壁沿いには、貴重な作品が、さりげなく飾られている。

どの席に座るかで、鑑賞できる作品も変わる。何度訪れても楽しめる場所だ

店内のウィンザー調の家具も、当時のものを修繕しながら大切に使われている。同ホテルには、家具だけでなく、建物内のさまざまな修繕を引き受ける、修繕専門の部署が存在する。新しくしてしまうのではなく、良いものを使い続けることができるのは、館内にある専門部署が丁寧な修繕が重ねているおかげ。

名物カクテル「ジントニック」(2024円)。銅のマグカップで時間が経っても、冷たいまま楽しめる

豊富なアルコールメニューの中で、まず注文したいのは、開業当初から受け継がれている名物カクテル「ジントニック」。銅のマグカップで提供される、冷たいカクテルをいただきながら、あえてBGMを流さない店内で、静かな時間が過ごせる。

「リーチバー」の営業時間は、平日16時~24時(ラストオーダー23時30分)土日祝14時~24時(いずれもラストオーダー23時30分)。

取材・文・撮影/太田浩子

長年愛される「リーチバー」にもぜひ立ち寄ってみよう
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