大正から113年…日本最古「年3万円」学生寮の日常を知る写真展、京都大学吉田寮食堂で開催

2時間前

京都大学吉田寮に通じる道には「年三万円(水光熱込み)で家具、友だち、イベント付」と記されている。吉田寮は森見登美彦氏の『四畳半神話大系』のモデルと言われるなど、さまざまな作品のインスピレーションの元にもなってきた(2026年3月 Lmaga.jp編集部撮影)

(写真2枚)

現存する日本最古とされる学生寮「京都大学吉田寮」(京都市左京区 京都大学吉田キャンパス内)。大正時代から、113年の歴史を持つ自治空間で営まれ続けてきた寮生たちの「日常」をとらえた「吉田寮写真部」による写真展『京大吉田寮』が『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』のサテライトイベントのひとつとして「吉田寮食堂」で4月29日にスタート。実際の吉田寮の空気を感じながら、謎に包まれたその内部の様子や、リアルな寮生たちの生活を知るチャンスとなっている。

「吉田寮」は1913年に建てられた「現棟」と呼ばれる木造2階建ての建物、1889年建築の「食堂」、2015年にできた「新棟」からなる。そのうち「現棟」は耐震補強工事を前提に、2026年3月31日までに入居する学生たちがすぐそばの「新棟」などに転居し、4月1日以降閉鎖されている。100年を超える「現棟」の建築的価値などを尊重した「補修」を求める寮自治会側に対し、大学側は2026年4月に現棟の「建て替え」を発表。現在、そのゆくえに大きな注目が集まっている。

「開かれた学生寮」として、恒例の『吉田寮祭』はじめ学生たちがさまざまな企画を運営してきた同寮。「現棟」の退去期限直前の3月23日から29日には学生たちが案内役となり「現棟見学会」を開催し、ツアー形式で実際の寮生活や、建物の歴史的価値などを解説。こちらには約600人が参加し、盛況だった。

◆ 大正時代から続く「現棟」の歴史を知る吉田寮食堂での写真展

写真:Megumi Itaya
写真展には寮の日常を切り取った作品約40点を展示 写真:Megumi Itaya 

今回の写真展は、京都大学大学院 人間・環境学研究科の板谷めぐみさんの作品を中心に約40点を展示。板谷さんは、2024年6月から「吉田寮」の撮影を続けており、日本写真家協会が主催する新進写真家の発掘と活動を奨励するための「第20回名取洋之助写真賞」を受賞した作品も展示する。

展示には、その他、フランス人留学生が撮影した作品や、大正時代の寮生たちの日常を捉えた写真も。大正時代から現在まで113年続いてきた、さまざまなバックグラウンドを持った吉田寮生たちの生活、そして歴史ある「現棟」の建築的な価値も感じることができる貴重な機会となる。

なお、本展が開催される「食堂」は、かつての食堂としての機能は現在はなく、学生たちのバンド練習の場や、「西部講堂」(京都大学西部講内:1937年~)で開催された、学生主体の音楽イベント『バクト京都』のアフターパーティーが行われるなど、現在はそのスペースを活かし、音楽や演劇などのイベントが多数開催されている。

写真展『京大吉田寮』は、現在京都市内で開催中の写真フェスティバル『KG+ 2026』の一環として、「京都大学吉田寮食堂」で4月29日から5月6日まで毎日開催。時間は13時~18時。入場無料。

『KG+ 2026』は『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』のサテライトイベント。地域・来場者・作品を繋げ、新たな発見や交流を創出する機会として、100以上の展覧会が京都市内のギャラリー、カフェや寺社仏閣、屋外など、さまざまな会場で開催されている。

文/Lmaga.jp編集部

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