大阪で人気の芋&かき氷店、4代目と5代目で方向転換した理由は?

2024.12.1 08:30

「ミカク」のりんごのパフェ1800円(現在終売)。中に角切りのりんごやコンポート、ジェラートが層になっているのがわかる

(写真15枚)

かき氷と芋スイーツが人気の「氷とお芋の専門店らんらん」(大阪府茨木市、以下「らんらん」)は、今やかき氷の人気が高まり予約が困難なお店に。そこで新店舗「かき氷とパフェ mikaku」(以下「ミカク」)を設け、9月から4代目と5代目でそれぞれの店舗を担当分けするように。その背景を取材しました。

「らんらん」は、明治42年に氷卸店として創業した店を4代目が20年前にリブランディングし、かき氷と芋スイーツの店に。甘みの強い鳴門金時の最上級品種・里むすめをカラリと揚げ、秘伝の蜜に漬け込んだ「蜜ぽてと」などで、芋メニューも瞬く間に有名となりました。

そして、氷の魅力も伝えようと、紅はるかの蜜や芋餡がったっぷり使われた芋づくしのかき氷を打ち出したところ名物メニューに。さらに5代目の奥井大起さんが店を手伝うようになった5~6年前から旬のフルーツのかき氷も仲間入りし、かき氷目当てに訪れるお客が増加していきました。

■芋とかき氷でお客が二極化!?

「次第に、お芋スイーツとフルーツかき氷の人気が二極化していったんです。世のかき氷ブームもあって、全国各地からお越しくださり、東京から2週間に一度通ってきてくださるお客様もいらっしゃいました。お芋スイーツはどちらかというと界隈のファミリー層が主流。氷とお芋の世界観も少し違っているかなとも思い、それなら…と、お芋は本店、フルーツは姉妹店と、店を分けることにしたんです」と5代目の奥井さん。

姉妹店「ミカク」では、「1年中展開するかき氷に加えて、寒い季節に楽しめるメニューもあるといいなと思い、同じくフルーツをテーマにパフェを考えました」。奥井さんは、小学校の頃から高校を卒業するまで店を手伝い、19歳で東京の洋菓子店やレストランでお菓子、料理作りを修業。その経験を生かし、ジェラート、ソース、コンフィ(砂糖漬け)、ジャムなどをひとつずつ丁寧に作り、味わいの変化が楽しめるようにグラスへ盛り付けていきます。

5代目の奥井大起さん家族が運営する「ミカク」。奥井さんが次々とメニューを生み出し、通う人が続出しています

糖度の高いものはそのまま。甘みを加えるときには、グラニュー糖、きび砂糖、粗糖などを使い分け、リキュール類は一切使わず、果物の持つ香りを生かすことも意識しているそう。食べ頃を逃さないようにフルーツは少量で仕入れ、ジャムやソースも極力作り置き、切り置きなどもせず、フレッシュ感を大切に。

「パフェをお好きな方も大変多く、使う果物が変わる度にいらっしゃってくださるお客様もいます。果物そのものは、信頼の置ける契約農家さんや市場の方に教えていただきながら、日々勉強です」。

また、「フルーツの魅力そのものを味わえるように、1メニューにつき、1つのフルーツしか使わないと決めました」とのこと。例えば、「りんごのパフェ」(1800円・現在終売)の場合、長野県産シナノスイートを、フレッシュりんごの角切りと薄切りに。さらにはりんごをジェラート、ソース、コンポートなどにして、バニラアイス、ヨーグルトクリームと組み合わせてパフェに。切り方による食感の違いはもちろん、火を通すとどんな味や香りになる? アイスにするとどうなる?など、奥井さんが一つの果物とじっくりと向き合いパフェに仕立てることで、果物のさまざまな魅力を引き出している構成に。

そして「ミカク」では、かき氷、パフェのテイクアウトもスタート。「イートインスペースも6席と小さいですし、テイクアウトなら気軽に食べていただけるので」と、サイズも店内のメニューよりも小ぶりにして800円~と手頃価格に。家族分購入する人も多いそう。ほかにもプリン、パウンドケーキなどの焼き菓子も販売。JR高槻駅から徒歩約5分。営業時間は11時30分~17時、当日のメニューや定休日はインスタグラム(@mikaku_takatsuki)で確認を。

取材・文・写真/いなだみほ

みかんとレアチーズのかき氷1700円、冬場はテイクアウトはなく、イートインのみの予定(提供写真)

かき氷とパフェ mikaku

住所:大阪府茨木市芥川町3-12-35
時間:11:30~17:00 火~木曜定休(変動する場合あり、Instagramで確認を)
電話:072-628-7627

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