大阪・肥後橋の名店「グリルピエロ」、進化して5年限定で復活

ギザギザポテトや野菜炒めも再現、「グリル ニューピエロ」のハンバーグ200g・1500円
大阪のオフィス街・肥後橋に店を構え、サラリーマンやOLに愛されて42年。2022年末に惜しまれつつ閉店した洋食店「グリルピエロ」(大阪市西区)が、「グリル ニューピエロ」として9月22日に新たにオープンする。
■「ハンバーグでええか?」ご夫婦の雰囲気も好きだった
グリルピエロ。昼時になるとハンバーグを焼くいい匂いがあたりに広がって、嗅覚からもっていかれるような旨い店だった。店主がご高齢ゆえの閉店と聞き、「仕方ないけど、もっと行っておけば・・・」という声も多かった。ホンマに行っとかんとアカン店のひとつであったのだ。
入店すれば「ハンバーグでええか?」と声をかけられた。ほかに焼肉とミックスしかなかった。奥さまもほっこりさせてくれる笑顔と接客で迎えてくれた。鉄板皿でジュージュー音を立てて出てくるハンバーグは、肉感しっかりでヤケドしそうになりながらも、ハフハフと頬張り、白ご飯をかきこむ幸せに浸らせてくれた。

「誰か若い者が修業に行かんのかいな」と嘆く声も多かった。その街の記憶が薄れゆくなか、今年9月半ば、店の扉に「9月22日ニューオープン! グリル ニューピエロ」という張り紙が。「歴史を大切に 私達なりのニューハンバーグ」という文言も記されていた。
■ 味や見た目を再現しつつ、豚ミンチを進化
ということで突撃取材したのが開店2日前、プレオープン終了後の店にうかがった。扉や内装はほぼそのまま、カウンターや椅子、壁にかかる時計もあの日のままだ。厨房器具は総入れ替えしたが、先代のご夫婦からは鉄板や食器なども譲ってもらったという。

「残念ながらレシピは教えてもらえなかったんです」と、新オーナーの呉屋良介さん(Baybridge代表)。自らも何度も食べた味ではあるが、曖昧な記憶を頼りに再現するだけでなく、常連だった知人の記憶を総動員し、「味や見た目は60%寄せることができた」が、それ以上にこだわったのが豚ミンチ。
銘柄豚のとんかつ店「ニューベイブ」を営むだけあって、「いい豚ミンチを使って、バーガーや餃子など何ができるか模索中に、グリルピエロの閉店を知ったんですが、食べに来たらもう閉まってた。自分たちなりのおいしいハンバーグという思いも込めて、歴史を守りながらやってみます」と。
ならばチーズとろけるハンバーグに「レーズンは入れた?」と問えば、もちろん「入れました(ニヤリ)」と呉屋さん。「ギザギザポテトも?」の質問には「同じようなのを探しました」。変わらず冷奴が付くのもうれしい。

メインで調理するのは女将・谷口舞花さん。「ピーク時に先代ご夫婦はどうやって早く焼いて提供してたのか知りたかったです。もっとスムーズにできるようにしたい」と、22日からの本営業に向けて肩を回していた。
■ メニューはシンプルに、5年間限定の営業
調理してもらったのは200gのハンバーグ1500円(ノーマルは150g・1200円)。ミンチは系列のキッチンで挽肉にしたもの。牛と豚肉を7対3の合い挽きにして、生パン粉、卵、香味野菜ペースト、フレッシュな玉ねぎなどを加える。肉の味をしっかり味わってもらいたいと、スパイスはごくごく控えめだ。
その種をフライパンで両面焼いたものにチーズをのせ、オーブンで火入れする。コンロの火で鉄板を熱々にしておき、そのうえにバーグを移したらデミグラスソースをジュワーっと掛ける。なるほど、肉の配合は以前より豚が多めになったというが、そのとおりだ。香りがシュッとしてしつこさがない。食べても肉感がワイルドだった先代のものに比べて、口溶けがよくなって脂も軽い。

ご飯もニューベイブと同じコシヒカリでつやつや感、旨みしっかりの仕上がり。卓上にはタバスコと塩、胡椒が用意されているが、味変する間もなく完食してしまった。「焼肉とミックスは、ゆくゆくできたらいいなぁ」と呉屋さん。「ランチ難民が多いエリアでしょ、だから通し営業にしたんですよ」と、営業時間は昼11時から夕方5時まで。
道化ではなく、歴史ある味わいを守りながら、マジメに時代に合わせて進化しているのだ。新たなステージの始まりと街の歓喜の様子を、体感しておかねばです。ビル建て替えまでの5年間限定なので、その間にがっつり食べに行かねば!
メニューは「ハンバーグ」150g(1200円)、200g(1500円)。ライスは2杯までおかわり無料(3杯目から+100円)。
取材・文/曽束政昭
「グリル ニューピエロ」
2023年9月22日(金)オープン
住所:大阪市西区江戸堀1-16-26 ダイワ肥後橋ビル1F
営業:11:00~17:00 不定休
電話:06-7777-5446
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