井之脇海が考えるリアルな芝居「どれだけ真実に近づけられるか」

2023.6.4 20:00

M&Oplaysプロデュース『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』に出演する俳優・井之脇海(写真/阿部章仁)

(写真4枚)

■ 「分からない」からおもしろい、岩松作品の魅力

今回井之脇が出演するのは劇作家・岩松了が作・演出をつとめる舞台。出演者からは「難読」と称されることもある岩松の作品に、どう挑んでいくのかは見ものだが、井之脇ははっきりと「分からない」と言う。「岩松さんの作品を初めて観たのは12歳のとき。『恋する妊婦』という作品だったのですが、まったく分からなかった(笑)」。

「今回も分からないことが多いと思うのですが、その『分からない』というのは・・・岩松さんの作品は明確な答えを提示しないからこそ、こちらに想像の余地がある。ただ2時間観るだけではない、観終わったあとに考える時間も含めて岩松さんの作品の強みだと思っています」と分析する。

公演数の多い舞台に挑むうえで、井之脇は「決して毎日同じことをしているわけではない、という感覚は忘れないようにしたい」と意気込む(写真/阿部章仁)

12歳で岩松作品に出合って以来、いくつかの作品を観てきたというが、その「余白」こそ自身が惚れ込んでいる部分でもあり、観客にも感じてもらいたい部分なんだとか。「舞台の上の空間があまりにも虚像すぎると見ているお客さんが現実に持って帰り辛くなると思うので、その場でどれだけ真実に近づけた芝居ができるか。どれだけ血の通った会話ができるか」と、役作りについての意識を明かす。

M&Oplaysプロデュース『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』

会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府大阪市北区茶屋町19-1)
期間:7月1日・2日
料金:8500円

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