GWにチェック! 2022年の「ベスト日本映画」選出!

2023.4.30 11:00

映画評論家の春岡勇二氏、ミルクマン斉藤氏、華崎陽子氏(左より)

(写真10枚)

「この鼎談では、小林啓一の評価はすこぶる高い」(春岡)

斉藤:なんでアカデミー賞(長編アニメ映画賞)に入らなかったんやろ?

華崎:そうなんですよ、入って欲しかった。ゴールデングローブ賞はエントリーされたけど。

春岡:ありゃ良く出来てたよ、あきらかに。

斉藤:僕は『犬王』、どのメディアのベスト10にも入れてる。まさに『マインドゲーム』(2004年)以来の大実験作。僕は湯浅さん大ファンなんで、否定するところが何もない(笑)。メチャクチャ動きの面白さも堪能できるしね。大友良英さんの音楽とも相まって。

華崎:物語もどう転がっていくかワクワクするし、なによりグルーヴ感がすごかった。

斉藤:まぁ、物語は『どろろ』なんだけどね。それは監督も百も承知だから。僕、今年のナンバー1は、世界的ダンサー・田中泯に密着した『名付けようのない踊り』なんですよ。

春岡:あれもちょっと桁外れなところがある。

斉藤:桁外れやろぉ? しかも、そこに山村浩二さんのアニメーションを織り交ぜて。

春岡:泯さんに「あれ、良かったですねぇ」って言ったら、「いや、あんなに可愛い坊主じゃなかったけどね(笑)」って。そう言う泯さんもカッコいいなと。

斉藤:山村さんのアニメも良かったけど、ちょっとドキュメンタリーの域を超えたところがあるねん。あと、小林啓一監督の『恋は光』も良くてね。

春岡:あれももっともっと評価されないといけないよ。

華崎:あれも全然、賞レースに絡んでなくないですか?

春岡:この鼎談では、小林啓一の評価はすこぶる高い。世間とのギャップがすごい(苦笑)。

華崎:たしかに(笑)。でも、ホントに面白かったですもん。

斉藤:いや、全部面白い。

春岡:『ぼんとリンちゃん』(2014年)は大傑作だったろ? 東京の評論家が全然認めないって怒ってたけど。

斉藤:いやいや。『ぼんとリンちゃん』なんて、僕はあの年のナンバー1やから。

春岡:『恋は光』もメチャクチャ面白いんだけどなぁ。なんでかなぁ?

華崎:よくあるキュンキュン映画みたいな売り方してるから。全然そんなんじゃないのに。

斉藤:西野七瀬も平祐奈も馬場ふみかも、みんな可愛すぎるよな。

映画『恋は光』(C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

華崎:すごく可愛く撮ってましたよね、監督が。

春岡:それは大事よ、女優をキレイに撮るのは大前提だから。それが出来ない監督が多すぎる。

華崎:だから、宣伝ビジュアルとかも考えて欲しいと思うんですよ。あれじゃ、アイドル映画にしか見えない。

春岡:自己パロディというかさ。『恋は光』ってタイトルをつけた時点で、パロディですって感じだから。

斉藤:まあ、「光」そのものが小林映画のひとつの特徴ではあるからね。光をどう捉えるかって。

華崎:高杉真宙と葵わかなの『逆光の頃』(2017年)もそうでしたね。

春岡:映画のテーマが「光」だから。そういうのあるじゃん、作家でこれがテーマですよってみんな言わないけど、それは観る側が気がつくべきことであって。しかも、それを『恋は光』でやっちゃうところが面白いやないか。分かる人には分かるよ。

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