落語の行き着く先、桂春蝶&吉弥「自分に正直に向き合えるか」

2023.3.7 07:00

「Lmaga.jp」にちなんでLポーズを取ってくれた(左から)桂吉弥、桂春蝶

(写真5枚)

■ 「人(にん)が絶対、出ますからね」」(吉弥)

——落語はなんでも受け入れてくれる感じがしますね。

吉弥「そうですね、ひとり芸ですからね」

春蝶「最近、だからこそ1番怖い芸なのかなと思ってきました。こんなにあけすけな、ヌードな芸はないなと。ごまかしが効かない世界なので、人間性まで全部見られちゃう。だったら、さらけ出したらええやんと思ってきたんですよ。むしろ皮膚を脱ぐみたいな(笑)。そこぐらいまで覚悟を決めてネタを作る、ネタを発表する」

上演中、落語はもちろん、彼らの着物姿にもこだわりがあるそうなのでぜひ注目してほしい

吉弥「いやもう、人(にん)が絶対、出ますからね」

——そうなると、落語家という看板を背負ったからには、生きていく上でも気をつけなあかんとか、そういう考えになりますか? たとえば人に嘘はつけないとか。

春蝶「嘘はついてもいいんです。嘘をついたことに対して嘘をつかなかったらいいんですよ。嘘をついた自分をどうさらけ出すか、ということが落語に必要なんです。ほんまは嘘つきたいけど、嘘がつけないのなら、その自分を素直に表現することが必要だと。それがなかなか、やるとなると難しいです、この芸のなかでは」

——いわゆる「人の業(ごう)の肯定」ですかね。

春蝶「そう! 業! この芸はレッツ業~!なんですよ(笑)」

吉弥「自分に正直に向き合えるかということですよね」

春蝶「向き合うことがすごく大事なこと。そこからしか生まれてこないね」

そんな春蝶と吉弥が、『笑点』の新レギュラーも発表された東の売れっ子、春風亭一之輔を迎えて上演する落語会『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺 2023』は4月28日に「大阪市中央公会堂」(大阪市北区)にて。夜公演は完売で、昼公演の追加が決定。チケットは指定席5500円ほか、最新のチケット情報は公式サイトにて。

取材・文/岩本 写真/木村華子

『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺』

会場:大阪市中央公会堂 大集会室(大阪府大阪市北区中之島1-1-27大阪市中央公会堂 B1F)
日時:4月28日(金)昼公演13時45分※追加公演/夜公演18時※ソールドアウト
料金:指定席5500円、特典付き指定席6500円

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本