「恐竜」のイメージ変化をたどる、兵庫県立美術館で異色のアート展

2023.3.4 10:00

恐竜を表現したアート作品が150点以上そろう

(写真9枚)

「恐竜アート」にスポットを当てた、異色の特別展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』が、3月4日より「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)でスタート。「恐竜」と言えばの化石や骨などの展示は1点もなく、世界各国から集めた150点以上の「パレオアート」(古生物美術)作品などが鑑賞できる。

同展では、恐竜の化石が発見された19世紀前半から現代まで、多様な姿で想像されてきた恐竜のイメージの変化を4章に渡って紹介。例えば、最初期に発見された恐竜・イグアノドンは、画家ジョン・マーティンによる版画『イグアノドンの国』では鼻の上に三角形の角(つの)があるが、その後の20世紀絵画では、角はなく前足の親指の部分が三角形・・・と、見くらべてみるのも楽しい鑑賞ポイントだ。

「パレオアート」の2大巨匠の作品も多数展示され、恐竜映画や日本の図鑑に影響を与えたという代表作も。学芸員の岡本弘毅さんは「チャールズ・R・ナイトが生き生きと描いた飛び跳ねるラエラプラスは、鈍重な恐竜の印象を変え、ズデニェク・ブリアンが描いた2足歩行のイグアノドンは、前を見据えているようなリアリズムも感じられる」と、その魅力を解説する。

地元・兵庫県の恐竜にちなんだ作品も。小田隆『篠山層群産動植物の生態環境復元画』2014年 丹波市立丹波竜化石工房

さらに「どの時代の作品も間違っている訳ではなく、限られた情報のなかで芸術家たちがおもしろいものを考え、イメージを膨らませた点は、現代と共通しているのでは」と考察。日本の文化史に登場する恐竜にもフォーカスし、恐竜アイテムの収集家・田村博氏のコレクションからソフビ人形や20世紀の雑誌類、漫画家・所十三氏の恐竜作品の原画など、個性あふれる恐竜たちの姿も垣間見れる。

事前の内覧会には、恐竜研究家・恐竜くんがゲストとして登場。「恐竜のビジュアルという1番おいしいところが凝縮されていて、人類がどう恐竜と向き合ってきたかがすべて詰まっている内容。何億年というスケールの大きな恐竜について、たった200年でこんなに解き明かしてきた人間の底力も感じられました」と同展の醍醐味を語った。

展覧会限定品がそろうグッズ売り場では、人気キャラクター「リサとガスパール」とのコラボアイテム、時代によって姿が異なる「イグアノドン3きょうだい」のデザインにも注目だ。期間は5月14日まで。料金は一般2000円ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

『恐竜図鑑—失われた世界の想像/創造』

期間:3月4日(土)~ 5月14日(日)
※月曜休館
会場:兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)
時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
料金:一般2000円、大学生1500円、高校生以下無料

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