東出昌大、役作りにかけた想い「プログラミングに対する情熱」

2023.2.28 20:30

映画『Winny』の舞台挨拶に登壇した俳優・東出昌大(2月28日・大阪市内)

(写真5枚)

天才プログラマーの実話を基にした映画『Winny』の舞台挨拶が2月28日、「大阪弁護士会館」(大阪市北区)でおこなわれた。ダブル主演を務めた東出昌大と三浦貴大、メガホンを取った松本優作監督が登壇し、本作への想いを語った。

同作は、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者で、著作権違反幇助の疑いで逮捕・起訴された金子勇氏の壮絶な半生と彼の無罪を主張した弁護士団の奮闘を描いている。天才プログラマーの金子氏役を東出、弁護士・壇俊光氏役を三浦がそれぞれ演じた。

権力やメディアに立ち向かった弁護士団の活躍も描いている本作品。弁護士たちを対象とした先行上映会の直前におこなわれた舞台挨拶では、司会を本作のモデルにもなった現役弁護士の壇俊光さんがつとめた。

本作を語る上で欠かせない簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」。試用版が公開されるやいなや、瞬く間にシェアを伸ばしていった。しかしその裏で、違法アップロードも横行し、「Winny」はネット史上最大の事件として当時社会問題にまで発展。無罪を勝ち取るまでに7年もの裁判に挑んだ金子氏は2013年にこの世を去った。

これらを踏まえ、映画の見どころを聞かれた東出は「生前の彼をどれくらいの方がご存じか分かりませんが、天才的なプログラマーを演じることができました。プログラミング映像と合わせて楽しんで欲しい」とアピールした。

実際に金子氏の弁護団として戦い抜いた壇氏からは、「まるで金子さんの生き写し。役作りで大切にしたことは」と質問が。これに対し東出は「金子さんを知る人で彼の悪口を言う人はいない。プログラミングに対し、純真無垢な愛情を持って取り組んでいた。そういったプログラミングに対する情熱を抱きながら、今回の作品に挑んだ」と振りかえった。

舞台挨拶の最後には、壇氏から3人へメッセージが送られるサプライズも。金子氏のお墓参りに伺った際のエピソードを交えつつ、「金子さんの墓石を丁寧に洗ってくださったことに感謝しています。東出さんの演技を見ながら、金子さんの姿を思い浮かべた」と壇氏が声を詰まらせると、東出も感慨深そうに頷いていた。

最後に東出は裁判が7年にも及んだことを踏まえ、「そのなかでも金子さんは研究を続け、仲間とご飯を美味しく食べたり人に優しくしたり、彼の人生を全うした。彼にも人生があったと知れたことが、今回の大きな収穫。ぜひ劇場で見て欲しい」と意気込んだ。本作は3月10日より全国で公開される。

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本