鎌倉殿を経て決意新たに、小栗旬「また大河の主演をやりたい」

2022.11.24 20:15

北条義時を演じた小栗旬。この頃はまだ野心とは無縁だった (C)NHK

(写真2枚)

俳優・小栗旬が主演を務め、鎌倉幕府二代執権・北条義時の生涯を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。11月20日放送の第44回『審判の日』を経て、物語も終盤に。そんななか小栗旬のリモート取材がおこなわれ、北条義時役によって得た糧や、今後の大河ドラマ再登場などについて語った。

■ 「過去の自分を反省した」大河主演を経て感じたこと

清水拓哉制作統括が「誰一人クランクアップしたくなかった」という、鎌倉殿の撮影現場。とうの小栗はどうだったかというと「なんとも一言で言いがたい心境」だったそう。

「今まで経験した(クランク)アップとは、また違う感じ。もちろん『まだまだ続けていたい』というのもあったけど、同時に『やっと終わったんだなあ』とホッとする気持ちもありました」と、相反する気持ちを抱いたものの、「引きずるような感覚もなく、スパッと切り替わった。本当に納得の行く終わり方をさせてもらいました」と、やりきった表情で語った。

この作品を通じて成長したと思うことは、小栗旬個人としては「特にないですねえ(笑)」と言うものの、俳優としては「過去の自分を反省した」点があったとか。

「48回をかけて、本当に若い頃から晩年の義時までやらせていただいたんですが、1人の人間を生き抜くとか、人間を作るということは、ここまで深く読み取っていかなければいけないんだなあ・・・と思いました」と実感。

さらに「作品にのぞむときは、事前にこれぐらいまで深掘りしておかないと『役を演じる』ということは、なかなかしてはいけないことだと感じました。通常のドラマや映画でも、初日の段階でこれぐらいの自分でいなきゃいけないと痛感しましたね。次からはもう少し、グラデーションを付けることができるんじゃないかと思います」と、決意を新たにしていた。

『鎌倉殿の13人』最終回(第48回)シーン写真より、北条義時(小栗旬)(C)NHK

■「役者としてどう生きていくか、考える時間を作りたい」

大河終了後初の大きな仕事は、2020年に上演予定だったが、コロナで延期されていたシェイクスピアの舞台『ジョン王』。「休みたい気持ちもあったけど、(演出の)吉田鋼太郎が『やろう』って言うから・・・」と笑いつつも、今後の自分については、やはりいろいろと考えるところがあるそうだ。

「何本かお話をいただいている環境ではあるのですが、どういう形で役者として生きていくか? ということを、決めていかなきゃならないなあ、と。1回本当の意味で、自分の今後を考える時間を作らなければと思っています」と明かす。

ただその将来のプランには「またもう一回、大河ドラマの主演をやりたい」ということも含まれているとか・・・!

「やっぱり今の日本でどこを探しても、1年半ノンストップで1人の人物を描いていく場所はなかなかないから、また機会があればやってみたい」と語り、演じる役柄としては「今回のように、あまりみなさんの先入観がない人物を演じられたらいいですね。こんなことを言うと、次の(大河の主役の)松本(潤)くんには申し訳ないですけど(笑)」と抱負を語りつつ、来年から「徳川家康」というメジャーな人物を演じる松本を気づかった。

『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。主演舞台『ジョン王』は12月26日から東京公演(Bunkamura シアターコクーン)を経て、愛知・大阪・埼玉と2月24日まで上演される。

取材・文/吉永美和子

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