「関西ジャニーズＪｒ.」内のグループ「ＡｍＢｉｔｉｏｕｓ」に所属する小柴陸と、ベテラン俳優の橋本さとし＆羽野晶紀が出演する舞台『一富士茄子牛焦げルギー』。小柴、橋本、羽野、原作者のたなかしんの会見がおこなわれ、初対面とは思えないほどの一体感を見せた。

■ ストーリーはどこかホッとする「家族の物語」

数年前に「おかん」が亡くなり、父子家庭となった「ぼく」と「おとん」が、おとんの見た奇妙な夢をきっかけに、奇想天外な出来事に巻き込まれる様を描いた物語。２０２１年に、朗読劇とストレートプレイの中間のような「リーディングアクト」というスタイルで、沢口靖子＋生瀬勝久＋小柴で上演され、今回は小柴以外のキャストを入れ替えての再演となる。

この日が初対面だったという出演者３人だが、「おとん」役の橋本は「ぼく」役の小柴の印象を聞かれて、開口一番「さっきから横で見ていて『肌がキレイやな～！』って」と発言して、会場は爆笑。さらに橋本が「お肌だけじゃなくて、気持ちもピカピカしてる感じがする。これから汚れないように守ってあげたい（笑）」と続けると、「おかん」役の羽野晶紀も「とってもピュアな感じ」と応えて、すでに親心にあふれている様子を見せた。

対する小柴も「初めてお会いしたときに、めちゃくちゃやさしくしゃべりかけてくださって良かったです」と、新たな「おとん」と「おかん」に、早くも打ち解けた様子。原作者のたなかは「ここ（会見場）に来るまでのエレベーターのなかでも、ボケとツッコミがあって（笑）、もうナチュラルに家族を演じてくれてて。このまま突入していただけたら、本当にすばらしい舞台になることは間違いないと思います」と、早くも太鼓判を押した。

■ ３人の願いごと、小柴は「空を飛びたいです」

本作の大きなキーワードになるのが「願いごと」。「なんでも１つ願いが叶うとしたら、なにをお願いしますか？」という問いに、小柴は「お金持ちになりたい（笑）。それか空を飛びたいです」と、期待にたがわずピュアな願いを。対する橋本は「飼っているチワワとお話がしたい。目とかちょっとした空気で、感情をはかることしかできないんで、本音をすごくお話してみたいと思います」という予想外の回答で、会場をザワつかせた。

そんな空気を変えるように、羽野は「これしかないと思うけど、ウイルス退散ですね。お客さんにマスクを外していただいて、思う存分笑ってほしい」と、全員が納得する回答を。さらに「この物語には、嫌なことばっかりを考えるより、良いことに時間を割いた方がいいよね･･･というテーマがあるから、きっと劇場を出るみなさんは『これから先は、楽しいことを考えよう』と思って、街を歩けるのではないかと思います」と、作品をアピールした。

『一富士茄子牛焦げルギー』は、上演台本は野上絹代、音楽は瓜生明希葉、演出は河原雅彦が担当。舞台では、たなかしん描き下ろしの絵も効果的に使用される。大阪公演は１２月１５日～１８日に「ＡＢＣホール」（大阪市福島区）にて。チケットは７５００円で、１１月５日発売。

取材・文／吉永美和子