神戸の海側に仮移転、クリエイティブにぶっ飛んだ「三宮図書館」

2022.8.13 07:45

7月26日に移転リニューアルオープンした「KIITO三宮図書館」(神戸市中央区)

(写真13枚)

6月末で閉館を迎えた、神戸の名物図書館「神戸市立三宮図書館」が装いを新たに、海側に位置する「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」(神戸市中央区)内に移転オープン。従来の図書館イメージを変える本棚や、デザインに富んだ読書スペースなど、遊び⼼たっぷりな空間が広がる。

■ 元「生糸検査場」を使った、新旧ミックスな施設

神戸の中心地・三宮で42年間にわたりサービスを続けた同図書館は、駅周辺エリアの大規模再整備に伴い、港のすぐ近く、元々生糸の検査場だった場所をリノベーションした、現代ならではの施設KIITOの2階に仮移転(2027年までの間)。

「クリエイティブ・センターKIITO」の2階部分に位置し、同フロアにはミュージアムも

「同じ『三宮図書館』という名前ですが、山側から海側に移ってきたことで、全く異なるコンセプトの図書館になりました。『KIITOのレトロな建物も見たいし、行ってみよ』という方や、これまで図書館が遠かった方が来てくださっていて、利用カードの新規登録がすごく増えているんです」と、館長の西田さん。

館内に入るや「カードを作りたくなる」理由はさっそく見つかるはず。入口すぐに受付カウンターがあり、その近くに並ぶ新刊、そして座席は常に埋まっている・・・といった、ありがちな図書館のイメージは覆されるだろう。

■ コンセプト別の読書スペースで・・・本の虫に!

まず目に入ってくるのは、特徴的な形をした読書スペースで、右手には大きな黄色いオブジェを中心に構えた「キッズスペース」、そして左手には四角いボックスのような読書スペースが設置されていて、「ネスト(鳥の巣)ブース」と名付けられている。リーディングライトが光る内部は、プライベート感たっぷりに読書や持ち込んだ課題・作業に没頭できる空間となっているそうだ。

キッズスペースの中心にある黄色の球体、なかに入って遊ぶこともできるそう
四角い立方体に読書スペース

館内のあらゆるところに読書スペースが設けられており、それぞれにコンセプトが分かれているという。例えば窓側にある席はコンセントがないため、「スマホを置いて読書に集中できるように」との思いが込められていたり、本棚の間に設置されている小さな椅子&机は1人でソッと読書を楽しみたい人向けなんだとか・・・「本の虫」になるための用意はばっちりだ。

記者が個人的に気に入ったのは、「ブックリビング」というコーナー。本棚に囲まれた空間にリビングルームのような快適なスペースが現れ、そこには写真やデザイン、演劇などの娯楽や趣味に関する本がずらり。西田さんいわく「書斎のような場所は以前の三宮図書館にはなかった。公共空間の捉え方が変わりましたね」と、時代に応じて変化してきた同図書館の在り方が垣間見られる。

「デザインセンター内ということでデザインの本も増やした」そうで、なかにはフィンランド発のブランド・マリメッコの書籍も

そして、「この図書館ではいろんなところに、さまざまな椅子を置いてますので、みなさんの個性に合わせて『この図書館での私の席はここだ』と言う風に、思い思いの好きな場所を見つけていただきたいですね」と改めて新生・三宮図書館に期待を込めた。

KIITO2階に仮移転した「神戸市立三宮図書館」の営業時間は平日・土曜が朝10時〜夜9時(日曜・祝は〜夜6時)。定休日は月曜日(月曜が祝休日の場合は開館し、直後の祝休日でない日が休館)。

KIITO三宮図書館

住所:クリエイティブセンター神戸 2階(兵庫県神戸市中央区小野浜町1-4)
営業:平日・土曜:10時〜21時、日曜・祝日:10時〜18時

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