神戸市、転入者の3回目ワクチン接種券送付をデジタル化
神戸市が3月10日の定例会見で報告した、新型コロナウイルス感染症対策の現状。受け入れ可能な病床の増床と、3回目のワクチン接種券の迅速な対応が紹介された。
ピーク時より減ってはいるが、依然高止まりが続いている新規陽性者数。オミクロン株の重症化率が低いとはいえ、久元喜造市長は「今後どう推移するかわからないので、病床確保など体制を整えるのが重要」と、民間2病院から申し出のあった15床を増床し、受け入れ可能な病床が398になったことを明かした。
また、まもなく迎える引っ越しシーズンには、転入先の自治体で3回目となる人が増えるワクチン接種。神戸市には毎年約5万人が転入するといい、「転入してくる方たちに、スムーズに3回目接種をしてもらうのが大切」と、2回目の接種から6カ月以上経つ人には、転入届の提出から約3週間で3回目接種券が送付されるという。
自治体によっては、3回目接種券の入手に転入した住民からの申請が必要な場合もあるが、神戸市では申請の手続き不要で接種券が送付。通常は4~5週間かかるというが、神戸市が1週間短縮できたのはなぜか。
住民の転入があった場合、自治体は国のワクチン接種記録システム(VRS)からデータを抽出して接種券を送付するのだが、通常はシステムに1件ずつアクセスする「手作業」が必要だ。そこで、神戸市は独自でデータの抽出作業を自動化することにし、1週間の短縮に成功したという。
久元市長は、「1週間という期間は大したことではないかもしれないが、新しい市民の方へメリットがあり、職員も重要度の高い仕事に集中できる」と説明した。
なお神戸市では、2021年9月3日までに2回目の接種を終えた人に3回目接種券が発送済(3月10日現在)。同市のワクチン特設ページでは、自分の接種券番号を入力すると発送時期がわかる「接種券発送状況確認サービス」も用意されているほか、「ハーバーランドセンタービル」(神戸市中央区)の大規模接種会場では、予約なしの接種も実施されている(要接種券、3月27日まで)。
取材・文・写真/合楽仁美
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