■ 怪しすぎる･･･考察しがいがある演出に踊らされる

──視聴者がＳＮＳを通して「考察」を共有することが今やドラマの新しい楽しみ方になっていますが、秋元さんはその辺りを意識しながら作ってる感じはありますよね。あえてわかりやすいミスリードをいれたり、考察・推理が得意なわけではない人も参加できるような作り方で。

斉藤「ずーっと興味が持続するように作ってるからね。冷静に考えると辻褄があってないこともあるけど。結構ホラー的な演出も多いやろ？ なんやそれ、ドア開いただけやん！とかさ（笑）」

たなか「本当に！ 意味深なカメラワークで、そこから撮る意味は何なんだろうとか、怪しく見えることが多すぎるんですよね。当時は『黒島ちゃん双子説』とかありました。髪の巻き方が内側か外側かで別人じゃないかっていう。ほかにも『翔太くん二重人格説』とか･･･」

斉藤「考えすぎや！（笑） 」

たなか「あ、それこそ私、理系にあんまり縁がないので、ＳＮＳで『画像に数列を当てはめると黒島ちゃんを中心に周りを巻き込んでるから黒島ちゃんが黒幕だ』みたいな考察を見て、ほぉ〜！って思ったり･･･そういう発想があるんだっていうのを楽しんでました」

──連続殺人のきっかけとなった交換殺人ゲームで、参加者がそれぞれ誰の名前を書いてどの紙を引いたかとか、嘘をついたのかとか･･･ドラマが進むたびに判明していくので、表を自分で書いたり。私も書いていました（笑）。

斉藤「すごいな（笑）。僕はそういうところにはあんまり興味がなかったからさ、書いたりはせえへんかったけど、見ながらこれ絶対一時停止して書いてるやつおるなって思ってたわ」

──スマホ片手にドラマを見ながら「いま、背後に誰かいなかった？」「さっきの音は何だ」みたいにＳＮＳで知らない人たちと盛り上がってましたね。

たなか「漫画とか映画って、観るタイミングがそれぞれ違うじゃないですか。でもドラマは一斉に観ることができるから、そういう共有も相まって。リアルタイムで観なくても良い時代になっちゃったからこそ、逆にリアルタイムで観る楽しさがありました」

斉藤「リアル体験型ゲームに参加してるみたいな感じなんやろね」

たなか「そうですね。１回目は普通に見て、ＳＮＳで考察見て、それを意識して２回目見るとか。ＴＶｅｒとか見逃し配信があるので何回も見かえせますし、気になるところで停止させて画面を拡大してみるとか、スマートフォンでも観ることができるようになった醍醐味だなって思います」