リアルなドッキリが話題、大阪の老舗食品サンプル会社の変化

2021.6.26 09:15

「いわさき」本社には、本物のようなサンプルが勢ぞろいする

(写真11枚)

PCのキーボードの上になぜかオムライス。そしてこぼれる真っ赤なケチャップ・・・このドキッとする光景にSNSでは、「泣きそうなほどハラハラするんですが」「破壊力すげー」など驚きの声が寄せられ、「いいね」は14万超えの反響が。そんなドッキリ写真を公式ツイッターで次々と発信しているのは、食品サンプルを製作する「いわさき」(本社:大阪市東住吉区)だ。

昭和7年に創業し、サンプル業界で全国シェア1位を誇る同社だが、これらの写真の多くは、毎年社内で開催される製作スキルコンペの作品だという。「あつあつ」「ひやひや」などをテーマに、全国に10カ所ある工場の製作スタッフが自由な発想を形にしながら腕をふるい、毎回ユニークなものが勢ぞろいする。

遊び心溢れる食品サンプルを公式ツイッターで紹介したところ反響が大きく、BtoCにも力を入れ始めたという。オンラインショップでは現在、「食べかけ」プリンが乗った小物トレーや、「落とした」ソフトクリームのクリップホルダーなど、日常生活に遊び心をプラスしてくれるアイテムが販売されている。

懐かしい昭和純喫茶を連想させる「たべかけ懐かしプリン 小物トレー」(4950円)

飲食店への打撃は食品サンプルにも

今年に入り毎月新作が登場するなど、一般客向け商品が増えた背景には、コロナ禍の影響も。同社製作本部の北出真司さんは、「食品サンプルは、言葉が通じない海外のお客さん向けのニーズも高かっただけに、飲食店への打撃はうちにもダイレクトに繋がってきます」と苦境を明かす。一方でテイクアウト用の需要は増加傾向にあり、新たに弁当サンプルを置いた店からの「よく売れるようになった」という声が何よりもうれしかったという。

北出さんは「平面のものは想像力が必要ですが、立体で目に飛び込んでくる視覚効果は、すぐ記憶にも結びつく」と食品サンプルの魅力を語り、「食品サンプルを見ながら過去の楽しい思い出について話したり、会話のきっかけとなるような、ワクワクする存在であり続けたい」と意気込む。

近年は、どんな物でも立体化できる技術を使って、化粧品のクリームや泡を再現したサンプルや、美術館の展示物、医療用の血管モデル・カテーテルトレーニングモデルなど、食品だけに留まらず活躍の場を広げている同社。今後も進化し続けるサンプルパイオニアの動きに注目だ。

取材・文・写真/塩屋薫

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