レバノンのファストフードも、京都でフレンチ・シェフの新展開

2021.6.7 12:15

ランチに登場するチキンシャワルマ

(写真11枚)

フレンチの熟練シェフが手掛けるレバノン料理店「汽[ki:](き)」(京都市下京区)が、京都・五条に5月15日オープン。関西でレバノン料理を食べられる店はまだ少なく、珍しい存在だ。

パリやアルザスでの修業時代も含め、フランス料理のキャリア25年のオーナー・長野浩丈さんは、京都や北新地の高級レストランを任されていた一流シェフ。フランスにはレバノン系フランス人が多く、パリのマルシェでは、レバノンフードの屋台もおなじみの存在とあってレストランを企画したという。

「高級レストランに2万円、3万円の料理を食べに来られる方は限られていましたが、これからは若い方を含め、国境も関係なくいろんな方においしく健康的な食を提供したい。また、宗教上やアレルギーなど心配せずにともに食事できる場所にしたくて、ベジタリアンやヴィーガン料理も提供できるレバニーズのファストカジュアルダイニングに」と長野さん。

味はおろかメニューすら想像できない人も多いかもしれないが、ヒヨコ豆のペーストを使ったフムスやファラフェルをはじめ、イスラエル料理や中東料理の要素もあるレバノン料理。野菜のおいしさを引き出すスパイスやハーブの使い方で、初めて食べてもスーッと身体になじむやさしい味わいが特徴だ。

「スパイスやハーブ、オリーブオイルを多用するのは地中海料理にも似ていますし、焼き茄子と練り胡麻のディップ・ババガヌーシュは、フレンチにも近い料理があったり、レバノン料理はフランス料理に通じるところがたくさん。レバノンと日本は緯度が近く食材や食文化が似ていることが親近感と新しさをつくりだせると感じています」と説明する。

現在は朝8〜10時でモーニングには、薪の残火で燻したスモークチキン、自家栽培野菜のファラフェル、シャクシュカ(卵をトマトとスパイスで軽く煮込んだもの)の3種があり、いずれも野菜の炭を練り込んだフラットブレッドと、小さなスープ付き(各1200円)。昼11〜夕方5時まではランチとして、地鶏や仔羊の串焼きシャワルマ(1300円〜)や、季節野菜のプレート(1600円)などが登場し、メゼと呼ばれるオードブルの単品(300円〜)もそろう。

緊急事態宣言以降の夜営業では、フレンチをベースに薪焼きや炭焼き料理をアラカルトで提供予定。今後は朝から夜までさまざまな楽しみ方ができる店になりそうだ。京阪五条駅から徒歩約4分。

取材・文・写真/天野準子

汽[ki:]

住所:京都市下京区都市町149
営業:緊急事態宣言中(~2021/6/20)は9:00~17:00
※食材なくなり次第終了(通常は9:00~22:00)・不定休
電話:075-585-4224

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