おばあちゃんの家にあったな…「たわしマット」の意外な名称

2021.6.19 11:15

正式名称は「タンポポマット」

(写真2枚)

6月19日に最終回を迎える、菅田将暉や有村架純が出演するドラマ『コントが始まる』(ytv)。ドラマ内で度々登場する居酒屋に、「懐かしいなあ」といつも気になってしまう存在が・・・。

カウンターの向こうにいつも見えている、入り口のあのマットだ。そのガシガシとした素材と見た目から「たわしマット」「泥落としマット」「おばあちゃんの家にあったマット」など数々の異名を持つ、あの玄関マット。あれ、何という正式名称かご存じですか?

同商品を販売する環境生活美化用品メーカー「テラモト」(本社:大阪市西区)が、以前SNSで「実はこちら『タンポポマット』という弊社のロングセラー商品です」と呟いたことで再度注目が集まり、見た目と名前のギャップに多くの人が驚いたことも。なんでタンポポ・・・? 「テラモト」の担当者さんに詳しく訊きました。

室内マット欲しい…!

──見た目とかわいらしい名前のギャップにとてもびっくりしました!

はい。ロングセラー商品ですが、意外と名前は知られていないので、SNS上でも驚きの声をたくさんいただきました。

創業者が「道ばたに咲くタンポポのように、全国各地で愛される商品になってほしい」と願いを込めて、発売を開始した1951年に名付けたもので、デザインと名前は関係ないんです。詳細な資料は残っていないのですが、本当に古い商品でして、その前身となる商品は1世紀近く前の1927年に発売を開始しているんですよ。

──とても歴史のある商品なんですね。

創業者が、針金を編んで作った輸入品の「ワイヤーマット」を奉公先の商店から販売権を得て販売をスタートしたことがきっかけでした。

その後、泥汚れをもっと落とせるように改良を重ね、創業者の生まれ故郷である和歌山の名産・シュロ(日本を原産とする数少ないヤシ科植物のひとつ)を組み合わせてできたのが、1932年に発売した「新案マット」です。そして戦後の1951年にさらに改良を重ねて開発されたのが、現在のタンポポマットです。

──タンポポマットになってからは70年も愛されているんですね。

未舗装の道路が多かった発売当時は画期的で、瞬く間に日本全国に広まったようです。道路環境が整備された1980年代にも年間約20万枚売り上げるほどだったという記録も残っていますし、今でも長く愛していただいている定番のロングセラー商品です。

──学校などで見かけることが多い印象ですが、おばあちゃんの家にあったという声も多いようです。実際、一般家庭での使用も多かったのでしょうか?

はい。今でも学校や工事現場の事務所の玄関などではよく愛用していただいています。おばあちゃんの家にあったという方は、もしかしたら農業をされていたご家庭が多いかもしれません。

今では道路もしっかり舗装されていますし、農業人口も減っていることもあり、残念ながら一般家庭で使われることは減ってしまいましたが。

──農業をされる方には簡単に泥を落とせて丈夫なのは重宝しそうですよね。お手入れはどのようにすればいいのでしょうか?

ホースで水をかけて泥を落としてもらえればOKです。丈夫で手入れも簡単なので、ぜひ利用もらえたらうれしいです。

「タンポポマット」は、全国のホームセンターなどで購入可能。ドラマ『コントが始まる』は土曜・夜10時から放送される。

取材・文/野村真帆

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