現代美術家・笹田靖人の熱すぎる人生論「自分の信じるままに」

『トノサマオンブバッタ』(2014/ペン/515×728mm)を持つ笹田靖人
大阪・南堀江のギャラリー「peel」(大阪市西区)で、4月2日から3日間にわたり開催されている『YASUTO SASADA exhibichion −MAKUAKE−』。0.3mmの極細ペンを用いて描かれる緻密な作品で注目を集める、現代美術家・笹田靖人の大阪での初の企画展だ。
笹田といえば、「心斎橋オーパ きれい館」(大阪市中央区)で現在開催中の『東方神起 15th ANNIVERSARY MUSEUM XVision』でも作品を展示。高校時代からのファンという東方神起への愛と情熱に満ちたコラボレーション作品も反響を呼び大きな飛躍を続ける彼に、その活動の原点をインタビューした。
取材・文/後藤愛
「自分の人生を生きるのは自分。信じる道を進むべき」
岡山県に生まれ、中学3年生で『読売国際漫画大賞』ジュニア部門で優秀賞を獲得。美術系の高校を経て、京都の芸術大学へと進学した笹田。今では「細密画」と表現される笹田の画風だが、大学ではこんな言葉をかけられることもあったという。
「先生からは『君の絵は気持ち悪いからダメだ』と言われてました。でも僕はそこで落ち込まず、『ならば気持ち悪いを極めよう!』と考えて(笑)。若い頃って特に真面目ですよね。安くはないお金を払ってインストールしに大学へ通うわけで、そこで教えられる言葉は逃さず聞かなければと思った」と話す笹田。
「でも、それをそのまま聞いていてもダメなんです。先生に言われたこと=答えではない。『気持ち悪い』という言葉も否定と受け取るのではなく、ひとつの道だととらえる。だって自分の人生ですから。自分が信じるものならどんどんその道を進んだ方がいいと思ったんです」と語る。

「引き算の美学」という言葉もあるが、笹田の画風はその逆をいく足し算。たとえば、東方神起展でのメインビジュアル『機械戦士』は、東方神起の2人の周囲に彼らを象徴するアイテムや数字をぎっしり散りばめ、ミクロの集合体からマクロを描き出すような作品に。
ファンからも笹田の東方神起への愛情を讃える声が多く寄せられており、ひとつの世界を深く濃く表現する笹田の持ち味が確立した何よりの証明だ。とはいえ、ここまでの道程が順調なものだったわけでは決してない。
「芸術家は、職業というにはあまりにもお金にならない世界。その一方で、就職したり家庭を築いたりと周囲が順風満帆に見えてくるわけですよ。なのに僕はひたすら部屋にこもって作品と向き合うしかない苦しさがあって。お金もないし、人生にBETできるのは時間しかない・・・そんな辛い時期を支えてくれたのが弟でしたね」と話す。
幼い頃からずっと絵を描き続けてきた兄の姿を信じ、絵の具を買う金銭的支援からメンタルケアも担ってきたのが現・マネージャーの恵介氏だ。2人はまるで兄のゴッホを弟のテオが支えたように、二人三脚での活動を展開していく。
「本来のセオリーだと、画廊を通して活動の手配をしてもらうんでしょうが、僕には窮屈に感じてしまって。たとえばこの作品は今出すべきじゃないとか言われると、『僕が作った今が最も熱い瞬間なのに、今伝えなかったらいつになるんだ!?』なんて思うわけです。そういうことにもすべて共感してくれたのが弟でした」と振りかえる。
「そこからはギャラリーにこだわらず、壁があれば表現の場だ! と、ストリート感覚でやり始めました。2013年には、帽子ショップで個展をおこなったんですが、そこでは来場してくれた方にタブー視されていた絵の写真撮影をどんどんやってもらいました」と、さまざまな試みに挑戦したという。
笹田靖人
『東方神起(TOHOSHINKI)15th ANNIVERSARY MUSEUM XVision』
期間:2021年3月20日(土)~4月8日(木)
時間:11:00~19:00
会場:心斎橋オーパ きれい館(大阪市中央区西心斎橋1-4-3)
料金:2000円 ※要予約
『YASUTO SASADA Exhibition -MAKUAKE-』
期間:2021年4月2日(金)~4日(日)
時間:12:00~20:00 ※初日は15時開場
会場:peel(大阪市西区南堀江1-14-14-103)
内容:笹田靖人作品展示/原画&グッズ販売
※東方神起の原画の販売はなし ※撮影OK
※入場制限を設けさせていただく場合があり
※新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、開催中止の可能性あり
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