現代美術家・笹田靖人の熱すぎる人生論「自分の信じるままに」

2021.4.3 07:15

『トノサマオンブバッタ』(2014/ペン/515×728mm)を持つ笹田靖人

(写真9枚)

個展に来てもらったからには覚えてもらいたい!という思いからの斬新なアイデア。その来場客による写真は海を渡って、当時フランス・パリにいた世界的デザイナー・Yohji Yamamoto(山本耀司)の目に留まり、笹田をファッションの世界へと導いていく。

「想像もしていなかった展開でした。レールどころか、何もなかったところに道を作ったというか。耀司さんからは全くやったことのない無理難題をたくさん出されました。でも『できます!』と言うしかない(笑)。時間がないなかでも1日で描き上げて、それを耀司さんが思いもしない形に作り上げたり・・・驚きがいっぱいで、めちゃくちゃ楽しい時間でした」。

2021年現在まで、Yohji Yamamotoとは4回にわたりコラボレーション。その点は線となり、新たな縁を生み続けている。前述の東方神起に加え、今年1月には台湾の人気チアリーダー・チュンチュンとのコラボを実現。「自分以外のエッセンスを入れることによって作品が色めき立つというか、また違う場所へと向かうことができるような気がします」と語るように、コラボレーションは笹田のライフワークのひとつといえるだろう。

『龍虎』(2010/ペン)

「自分自身が1番、僕の次回作を楽しみにしている」

笹田は「僕のいろんな経験はもっとたくさんの方に伝えていきたい。僕が学生のときは、どうやったら好きな絵を書いて生きていけるのか日々考えていました。大学でいろんな先生に質問しましたが、誰も答えを知らないんですよ。よく考えたら先生が知っているのは、先生になる方法だけですよね」と話す。

続けて「僕が自分でやっていくうちに分かったことは、画家は人物も含めて画家なんだということ。大学では絵だけで表現する、絵が100%大切・・・そんな教え方をしますが、現実にはゴッホもピカソもみんなキャラクターが立っていますよね。草間彌生さんも村上隆さんも、きちんと自己プロデュースされている。まず人物そのものの面白さがつかみとして必要なんです。それに気付いてからは、僕自身もっと作品とリンクするような人物でありたいと考えるようになりました」と語る。

4月2〜4日には、大阪・南堀江のギャラリー「peel」にて個展『YASUTO SASADA exhibichion -MAKUAKE-』の開催が控えている。

「自分自身が1番、自分の次回作を楽しみにしていて。コラボも含めて、自分が面白いと思ったものを描き続けていく。続けられることが大切。どれだけ才能があっても飽きてしまえば描くことはできない。どれだけ自分を飽きさせないか、それが絵を描き続ける上で重要なことかなと思います」。

笹田が描く東方神起の2人の姿や、ここでしか見ることのできない貴重な衣装など見どころ多数の『東方神起 15th ANNIVERSARY MUSEUM XVision』は、4月8日まで「心斎橋オーパ きれい館」にて。

笹田靖人

『東方神起(TOHOSHINKI)15th ANNIVERSARY MUSEUM XVision』
期間:2021年3月20日(土)~4月8日(木)
時間:11:00~19:00
会場:心斎橋オーパ きれい館(大阪市中央区西心斎橋1-4-3)
料金:2000円 ※要予約

『YASUTO SASADA Exhibition -MAKUAKE-』
期間:2021年4月2日(金)~4日(日)
時間:12:00~20:00 ※初日は15時開場
会場:peel(大阪市西区南堀江1-14-14-103)
内容:笹田靖人作品展示/原画&グッズ販売
※東方神起の原画の販売はなし ※撮影OK
※入場制限を設けさせていただく場合があり
※新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、開催中止の可能性あり

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