低予算映画の異例ロングラン、監督の涙に木下ほうか「気まずい」
児童虐待をテーマとした映画『ひとくず』のロングラン上映を記念し、2月19日に「なんばパークスシネマ」(大阪市中央区)で主演・脚本・監督・プロデューサーである上西雄大、ゲストとして俳優・木下ほうかが舞台挨拶に登壇した。
児童虐待について知った劇団「10ANTSテンアンツ」代表の上西がひと晩で脚本を書き上げ、アイロンを押し当てられる子どもたちが当たり前のようにいる現状を織り交ぜて、少女と主人公・金田の関係性を描いた『ひとくず』。
2020年3月に東京で上映が開始され、新型コロナウイルス感染の影響で半年は上映中止を余技なくされるも、10月に大阪で上映を再開。以降はミニシアター系が中心となっていたが話題を呼び、2月19日から「なんばパークスシネマ」での公開をスタート。
上西監督は登場するなり、かつてない劇場の広さに感極まって涙を浮かべて挨拶。そんななか、1シーンにしか登場していない木下は、「気まずい、なんで呼んだん!?」と突っ込んだ。
もともと木下と上西監督は面識がなく、上西監督は「僕がこの映画を作ろうとなったときに、僕が劇団員の前で木下ほうかさんに出てもらいたいと言ったときに、夢のような話だと思って、だれも信じなかった。僕が脚本を読んでもらって、ほうかさんが最後に握手してくれて『がんばろう』って」と経緯を説明。
その言葉に対して、木下は「シナリオが送られてきておもしろいから、会って、それならやりましょうかって」と飄々としつつも、「1年以上、上映が続いていて、こんなにでっかいスクリーンで! というか画質大丈夫(笑)。あら目立たへん? ものすごい低予算で作られて、こういう場所で上映されるのは信じられへん」とヒットを喜んだ。
当日会場には、リピーターも多く、なかには13回も観ている人も。そんな状況に監督は、またもや涙しながら、「虐待について知って心が壊れまして、救いを求めて書いた脚本ですが、非常にたくさんの方が受け取っていただいて。映画が終わればいろんなお言葉をいただけて、僕は役者としての意義を持てた」と、会場に向かって思いを語った。
現在、関西では「なんばパークスシネマ」のほか、「京都みなみ会館」(3月12日〜4月1日)、元町映画館(2月27日〜3月5日)などで上映予定。
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