監督と女優の道を歩む小川紗良「とにかく全部やっていきたい」

2020.11.5 19:15

映画監督、女優として活躍する24歳

(写真7枚)

映画監督として長編デビュー作『海辺の金魚』を控え、NHK連続テレビ小説『まんぷく』などにも出演し女優として活躍する、小川紗良(さら)。11月6日公開の本広克行監督による映画『ビューティフルドリーマー』では、映画研究会(以下、映研)の一員として、監督をつとめるサラ役を演じる。

映画監督としても活躍する俳優・斎藤工が先輩サイトウタクミ役、元AKB48の秋元才加が女優アキモトサヤカ役として演じるなど、個性的な俳優・タレントが出演し、映研に代々伝わる「いわくつきの台本」の映画化に向けて、トラブルに巻き込まれながら奮闘するというストーリーだ。

同作は日本映画界を牽引する監督が、若手クリエーターと共に共創する実験的な映画レーベル「Cinema Lab」の第1弾。『踊る大捜査線』シリーズや、映画『幕が上がる』(2015年)などを手掛けた本広監督が、自ら依頼して、押井守監督原案『夢みる人』を実写化。口頭での打ち合わせだけで芝居する「口立て」という演出を採用し、若い世代によるリアルな声や動きで描かれていく。

画期的な手法を用いた同作について、映画監督として、女優としての目線から小川紗良に、大阪と東京でのリモートでインタビューをおこなった。

取材・文/ミルクマン斉藤

「監督として、自分自身がにじみ出てしまっている」

──この『ビューティフルドリーマー』、画期的なアニメーション映画として、またSF映画として僕や本広克行監督の世代にとっては当時何度も繰り返し観た押井守監督1984年の大傑作への激烈なオマージュなんですけど、小川さんはご存知でしたか?

私はもとともと、あの映画大好きなんですよ。でも同世代では知らない子も多い可能性が高く、これを観たときにどう思うんだろうというのはすごく興味がありますね。

──原案は押井さんの「夢みる人」となっていますが、この企画のために書き下ろされたものだそうですね。なんでもそれは映画研究部じゃなくて軽音楽部の話だったとか。出来上がった作品を観るとちょっと信じられないけど(笑)。

私たちのもとに来たときにはもう映研になっていたんですけれど、押井さんが作った部活ものを元に本広さんがアレンジされたのではないかと。本広さんもずっと映研の話が撮りたいって言っていたので、そこに合わせていったのかなって思います。

『HiGH&LOW THE WORST』の神尾楓珠、ナイロン100℃所属で『カツベン』などに出演した森田甘路らが映研部員らを演じる

──今年10月の『くまもと復興映画祭』で本広監督と喋ったのですが、「軽音楽部は僕はよく知らないから、映研の話にしていいですか?」って押井さんに交渉したようです。まあ、何が本当にやりたいのかが本広監督のなかであらかじめはっきりしてたんでしょうけど。『幕が上がる』も演劇部の舞台裏の話だったし、本広監督自身も映画はもちろん、舞台作ったり、アニメーションのプロデューサー業もしてられますしね。「ある作品が成立するまでの事情」の話が好きなんでしょうね。

そうですね、部活の青春ものとか、本当に大好きなんだと思います。

──小川さんも早稲田大学の映研所属でしたが、今回描かれた映研の姿と共通するところがありましたか?

撮影初日に舞台美術のなかに入ったときに、部室のセットが映研そのものというか、ごちゃごちゃ感とか、何に使うか分からない物とかが置いてある感じとかがすっごいリアルだった。

──そもそも学園が「『先勝』美術大学」だったり、昔の16mmフィルムが入ってる段ボールに「亀せんべい」と書いてあったり、その他もろもろ、ちょっとしたガジェットも含めて1984年の押井映画を知ってる者はニヤリとするものばかりで。

そんな空間に、さらに「伝説の先輩」がやってくるっていう(笑)。いつまでも居座ってる先輩がいる感じとか、受け継がれている伝説の作品みたいなものがあるとか、かなり映画サークルだなぁと思いましたね。

撮影では、在学中の映研の部室や伝説の先輩を思い出したそう

──その先輩が斎藤工ならぬサイトウタクミなんですよね(笑)、今や映画マニアのアイコン的存在の。彼が段ボールに封印されたようなフィルムとシナリオを見て「これは撮ろうとすると必ず恐ろしいことが起こるいわくつきの映画だ」なんてことを言う。これって小川さんが主演として出演した岩切一空監督の映画『聖なるもの』とどうしても結びついちゃうんだけど。

はい、私もそれは脚本の段階で思いました(笑)。

──本広監督は当時ディレクターをやってた『さぬき映画祭』で『聖なるもの』を上映してるから、わざと入れこんだのかも知れませんけど。だけど、ああいうのって「映研あるある」でもあるわけですよね?

そうですね、ありがちなことだとは思います(笑)。

──この作品はその1984年押井作品のリメイクではなくて、それを実写作品として撮る映研の話であるという、かなりメタフィクショナルな構造になってるんですけど、俳優と監督業もしている小川さんに関しては、「映画監督を演じる」という意味でさらに二重構造になってますね。

『さぬき映画祭』で、学生の頃に監督したり、出演したりした作品を上映していただいて。私が監督も女優もしているというのを知った上でのオファーだったので、なんか当て書きのような感じでうれしかったですね。役としての監督の部分と、自分自身がそのままにじみ出てしまってる部分がどちらもあると思うんですけど、私はあそこまでのムチャ振りはやってません(笑)。

『ビューティフルドリーマー』

2020年11月6日(金)公開
監督:本広克行
出演:小川紗良、神尾楓珠、斎藤工、秋元才加
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C)2020映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会

関西の上映館:シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、MOVIX京都

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