監督と女優の道を歩む小川紗良「とにかく全部やっていきたい」

2020.11.5 19:15

映画監督、女優として活躍する24歳

(写真7枚)

「やっと自分の年齢が追いついたのかなと思う」

──僕は完成版ひとつ前のバージョンも観てるんですが、最終版ではテロップで故・大林宣彦監督への献辞が加わりました。みんなが去り、ひとり映研に残された小川さんにシューマンの「トロイメライ」が重なるシーンなんてまさに大林色濃厚なんですけど、小川さんにも大林監督への思い入れってありますか?

尾道三部作とか大好きで、大学生の時も大林監督の初期の短編集とかを観ていたので、もちろん尊敬してます。私がナレーションを読み出すシーンは撮影当日に入ったシーンで、あのナレーションも私が書いたんですけれども、本広さんが大林監督みたいだって喜んでらして。でもそのイメージは共有できた気がします。

──本広さんにとっては思いのほか大林さんぽくなったのかも知れませんね。大林監督は自作のポエティックなナレーションを自分の声で入れこむことが非常に多いですから。

そこから本広さんも大林監督を意識した演出とか編集とかをどんどん広げていかれたので、そのきっかけになったようなシーンでした。

映画では、小川紗良役演じるサラが俳優らのオーディションもおこなっていく

──今回共演者さんたちがバラエティに富んでますけど、そのあたりのアンサンブルはどうでしたか?

映研部員には演劇畑の人が多くて。今回はエチュード・・・即興芝居でほとんど作っていくというのが私たちの難関としてあったので。その面ではかなり演劇畑の人に助けられました。

ふだん生の舞台でいろんなアクシデントとかも超えながら勝負している方々だから、即興性みたいなところでものすごく優れていて。そこは勉強にもなりましたし助けられましたね。

また、オーディションにやってくる本物の役者さん達に関しては、例えば升毅さんとか本当にカッコいい方で、そんなカッコいい方に私たちがムチャ振りして、あちらが全力で受けて本気で返してくださるのでありがたかったです。その相乗効果でどんどん転がっていった感じがしました。

──升さんであれ、劇団「ナイロン100℃」の森田甘路さんであれ、自分のキャラクターを全開にして臨んでる感じがあります。

役者さんたちは本当に面白かったですし、コスプレイヤーの方とか、女子高生ミスコン出身の方とか、普通のお芝居の現場では出会わない方が結構いたのが魅力的で。

──元自衛官の方はホントに元自衛官であり、あれは実際にそうなんですってね。事実に基づいて虚構を演じているところが面白いです。

『聖なるもの』の時も監督の思いつきで進んでいくようなところはあって、ちょっとエチュード的ではあったんですけども。エチュードって人と人との関係性で作っていくものだと思うので、なんかそれを初めましての関係の役者さんたちとイチから作っていくのは大変でしたね。

──俳優・小川紗良は演劇畑ではないから、経験がないのもむしろ当たり前でしょうが。でも、この前、小川さんと話したのは2018年、『さぬき映画祭』で岩切一空くんたちと一緒に飲んだときだと思うけど、あれよあれよという間にものすごく女優としての露出が多くなりましたよね。特にテレビドラマ。

そうですね、朝ドラの『まんぷく』がきっかけで増えたというのは感じています。今、二十代半ばに入ってきて、いちばん幅が広い社会人が演れるところにやっと自分の年齢が追いついたのかなと思うので、今だからこそできることをとにかく全部やっていきたいなと思っていますね。

早稲田大学中に短編映画短編監督作『あさつゆ』『BEATOPIA』『最期の星』を監督し、2021年には初の長編映画『海辺の金魚』を公開予定

──本広監督は、この題材ってパートいくつも続けられるっておっしゃってましたけど。

それはクランクインする前から言ってましたからね。映画サークルっていうのは継承されていくものでもありますし、メンバーがどんどん替わっていきますから、そういう続編を作ることはいくらでも可能だと思います。

──そうすると今度はオガワサラがサイトウタクミの役で出てくるとか。

あり得ますね(笑)。

──でも今度、監督としての新作、しかも初長編を撮られたと聞きました。『海辺の金魚』ですけど、もう完成してるんですよね。

撮影は去年の夏に終わっていて。コロナに入る前で本当に良かったですね、結構人の距離も近い作品なので。公開は劇場の都合とかで延びて、来年を予定しています。長編を作るときは母と子の話をやりたいと思っていたんですね。今までの短編は、短編なりにいろんな挑戦をしたり、いろんな描き方を試してきていたんですけど、より気持ちを新たにと言うか、真っ直ぐに自分のやりたいことをひとつひとつ描いていきました。これからも、監督も女優も、同じように突き詰めることができればと思っています。

11月7日・13時から映画館「シネ・リーブル梅田」で、舞台挨拶を実施。小川紗良をはじめ、かざり、本広克行監督が出演し、舞台裏などについてトーク。上映込みで1800円(受付方法はWEB/モバイル予約)。

『ビューティフルドリーマー』

2020年11月6日(金)公開
監督:本広克行
出演:小川紗良、神尾楓珠、斎藤工、秋元才加
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C)2020映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会

関西の上映館:シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、MOVIX京都

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