大阪のIR、準備が難航「万博との同時開業は間に合わない」

2020.6.5 11:15

苦い表情を魅せた松井一郎市長(6月4日・大阪市役所)

(写真1枚)

大阪府と大阪市が進める複合型リゾート施設(IR)の誘致。大阪市の松井一郎市長は6月4日の定例会見で、今回の新型コロナウイルス感染症の影響について「当初目指していた万博との同時開業には完全に間に合わない」と語った。

本来であれば今年の6月には事業予定者が選定され、「夢洲」の区域整備計画を作成することになっていた大阪のIR誘致。2021年1月には、国から区域整備計画の認定を受ける予定だったが、コロナの感染拡大により手続きや打ち合わせが難航しているという。

2月におこなわれたIR運営事業者公募に応募があったのは、MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスによる「MGM・オリックス コンソーシアム」の1社。松井市長は、「2025年万博と同時開業を目指してやってきたが、この状況下では基本計画を作るのに1年遅れることになる。完全に万博に間に合わない。万博後の開業にしたい」と苦しい表情を見せた。

新型コロナによるIRへの影響については、オリックスの井上亮社長が5月におこなった決算説明会で言及。「MGM自身、ラスベガスでは閉館している。その状況を見ながらこの数カ月検証した上で、MICE・IRがオリックスにとって良い投資になるのか再検討する」と慎重な姿勢を見せている。

これに対し、松井市長は「MGMからは大阪でのIR実施の撤退などはまったく考えていないと聞いている。ただ、相手にとっては約1兆円の投資。オンラインで打ち合わせをしているがそれでは網羅できず、直接会って協議できないので時間を延ばしてほしいとしている。必ず夢洲にIRを作る。そのために前進したい」と語った。

取材・文・写真/岡田由佳子

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