元宝塚男役スター・七海ひろき「今の私がナチュラル」

2020.4.25 19:00

七海ひろきにとって初のフルアルバム『KINGDOM』に収録された『花に嵐』のMVより

(写真7枚)

宙組と星組で活躍し、2019年3月に宝塚歌劇団を卒業した元男役スターの七海(ななみ)ひろきが、初のフルアルバム『KINGDOM』を4月15日にリリース。16年間の男役キャリアで培った格好良さや深い芝居心、天性の声を活かし、卒業後も俳優・歌手・声優・ラジオパーソナリティーと多方面で活躍している。退団後1年目の変化、宝塚への想い、全11曲を作詞した今アルバムの創作秘話など、オンライン取材で丁寧に語ってくれた。

取材・文/小野寺亜紀

「やはり、これからも皆さまの心に寄り添いたい」

──昨年3月に宝塚歌劇団を退団し、男役という肩書から卒業されたわけですが、今どんな表現者を目指していますか?

自分が試したいことを追求するのはもちろんですが、応援してくださる皆さんと一緒に歩いて行く、成長していく七海ひろきでありたいです。アーティストとしては聴いてくださる方の心に何年も残るものをつくっていきたいですね。

──退団されてからツイッターやLINEで、ファンが身近に感じるようなコメントなどを発信されていますが、その存在の大きさを意識しての距離感なのでしょうか?

そうですね、そこは退団したからこそ、というのが大きくて・・・。宝塚在団中は、ほぼ毎日お会いできていたのが、退団してからはイベント時などだけになってしまったので、私自身も寂しいですし、きっとファンの方もそう思ってくださっているのではないかなと。やはり皆さまの心に寄り添いたいので、これからも続けていきたいです。

──見た目のスタイルも含めて男役時代とほとんど変わらないのは、それがご自身の中でも自然だからですか? 今後、ヒールを履いたりはされないのですか?

私自身がこういうスタイルが好きで、ありのままがコレなので(笑)。「ファンの方が望んでいるからなのでは?」と、気にしてくださる方もいたのですが、そうではないんです。今のところは、ヒールを履く予定はないです。

──そういう七海さんならではの活動が頼もしいですし、在団中と変わらないイケメンで優しい部分を、今も自然に放たれていますよね。

もうこれが普段の自分で、ナチュラルだと思います(笑)。やはり在団中は「宝塚の男役」という意識がありましたけど、今は、七海ひろきとしてナチュラルなので、このままで生きていきます。ただ、退団して1年が経ち、やっぱり変わってきた部分もあるなと思いますね。

「最初は全然慣れなかったSNSですが、色々調べたり人に聞いたりしてできるようになりました」と打ち明ける

──どんな変化を感じますか?

今までと違う雰囲気の服を着たりもしています。それはスカートを履くというのではなく、例えば新曲の『花に嵐』のミュージックビデオで着たような服装は、今まで着用したことがなかったのですが、これからも着てみたいなと思っています。

──退団後は俳優として舞台で主演を務められ、声優としてもご活躍ですね。

声優は、宝塚とはまた違う、もうひとつの夢でもあったので精一杯やっていきたいです。これまですごい声優さんの方とご一緒させていただき、毎回驚かされることが多く、違う世界だからこそ学ぶことが多いなと感じました。まだまだ声優としての引き出しが少ないのを実感しているので、もっと引き出しを増やしていきたいです。

──やはり声だけで表現するのは、舞台とは違いますか?

違いますね。舞台は1カ月ぐらい練りに練って、みんなで空気感からつくっていき、関係性も築いていくけれど、声優のお仕事は初めてお会いしてパッとやる瞬発力、台本に対して言われたことにすぐその場で対応できるスキルが必要だなと思います。

──七海さんを声優として知られた方が、今後ライブにも来られるなど、シナジー効果がますます生まれそうですね。

はい、宝塚のときから応援してくださっている方をずっと大切にしたいというのはもちろん、退団してから私を知ってくださった方にも見ていただけるようにと、幅を広げていけたらいいなと思います。

七海ひろき フルアルバム『KINGDOM』

2020年4月15日(水)発売
[初回限定盤 CD+DVD]
KICS-93910/3500円(税別)
[通常盤 CD]
KICS-3910/2500円(税別)

アニメ『ソマリと森の神様』(各種配信サイトにて)
※薬師の小鬼「シズノ」役として出演

アニメ『織田シナモン信長』(各種配信サイトにて)
※「三津秀人」役として出演


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