松下洸平「八郎から教わることが多い」

2019.12.30 10:00
(写真6枚)

「右でご飯を食べる練習して劇中は右利き」(松下洸平)

──滋賀県甲賀市でおこなわれたトークショー(12月14日開催)では、内田チーフプロデューサーが「松下さんの指が繊細」とおっしゃっていました。

あんまり自分の手のことを考えたことないですけど(笑)、家族全員、みんな僕と同じ手をしていて、僕にとっては見慣れた、ごくごく当たり前の手です。母も指が長くて大きいのですが、自分の手が、特別どうと思ったことなくて・・・。

──松下さんのなかに流れるクリエイターの血は、お母さまから受け継がれているのでしょうか?

母からもらったものがすべてだなと思います。自分の性格も含めて。それこそ、家族全員、左利きで。僕も、文字を書くのも、ご飯を食べるのも、ボール蹴るのも、何もかも左です。実は陶芸にも利き手があって、基本的には右で作陶するんです。なので、今年の夏ごろから右でご飯を食べる練習して、今は劇中は右利きです。

──そんな器用なことができるんですね!

でも、筆だけがどうしても左で。八郎くんが喜美子の似顔絵を描くシーンがあったんですけど、演出スタッフから「左で描くとどうなる?」と言われて、ササササっと左で描いたら「これだと上手過ぎてダメだね」って。右で描いてみたらいい感じの、何とも言えない喜美子の似顔絵ができて、それが採用されました(笑)。

「あかん、むっちゃ変な感じになる!」(松下洸平)

常治(北村一輝)がひっくり返そうとするちゃぶ台を一緒に止める喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)、母・マツ(富田靖子)
第64回より、常治(北村一輝)がひっくり返そうとするちゃぶ台を一緒に止める喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)、母・マツ(富田靖子)

──お母さまと言うと、舞台『母と暮らせば』で共演された富田靖子さんが、『スカーレット』では義理の母になって。

そうなんですよ! 初めて富田さんと『スカーレット』で一緒になったシーンは、僕が川原さんの家に行ったときだったのですが、リハーサル室で私服のままでしゃべっていたときに、一瞬「あれ? めっちゃ(『母と暮らせば』の)母さんだな」と思って(笑)。これは1回、忘れなきゃと思って割り切っていたのですが、撮影では上がりかまちに着物で座っていて、髪を後ろでゆわえたような姿で、「これ、母さんやん!」って。

──思わず息子になってしまうと。

なかなか直視できなかったです。どっからどう見ても「母さん」なんですよ、僕の(笑)。でも「初めまして、十代田と申します」と言うから、「あかん、むっちゃ変な感じになる!」って思って、最初の1日、2日はダメでしたね(笑)。

舞台『母と暮らせば』で親子を演じた富田靖子との共演に「むっちゃ変な感じになると思った」と笑顔を見せる
舞台『母と暮らせば』で親子を演じた富田靖子との共演に「むっちゃ変な感じになると思った」と笑顔を見せる

──その『母と暮らせば』は二人芝居でした。NHK『あさイチ』に出演されたときに、二人芝居は相手をリスペクトする気持ちが大事だとおっしゃっていましたが、いつごろからそういうふうに思われるようになったのでしょう?

2011年に、初めて二人芝居のミュージカル『スリル・ミー』に出たときでした。当時23歳で、柿澤勇人くんと僕と二人三脚で頑張ったときにつくづく思いました。相手を信じなきゃ、成立しないって。

──そこでの経験が大きかったと。

ありがたいことに柿澤勇人という俳優と気心の知れた友人になれたことも大きかったです。俳優としても、人としても、彼のことをリスペクトすることができたので・・・。信じていれば何があっても大丈夫、本番中にどんなアクシデントに見舞われようが僕が助けてあげたいと思ったし、お互いがそう思えることが大事だと。

NHK連続テレビ小説 第101作『スカーレット』

放送:2019年9月30日(月)〜2020年3月28日(土)<全150回>

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