三十六歌仙絵、100年ぶりに京都で再会

重要文化財 《佐竹本三十六歌仙絵 小大君》 鎌倉時代 13世紀、大和文華館蔵、後期(11/6〜24)展示
柿本人麻呂や小野小町、在原業平など、36人のすぐれた和歌の詠み人を描いた鎌倉時代の絵巻物『佐竹本三十六歌仙絵』を中心に、和歌の雅な王朝世界を紹介する展覧会が、10月12日から「京都国立博物館」(京都市東山区)でおこなわれる。
旧秋田藩主・佐竹侯爵家に伝わった『佐竹本三十六歌仙絵』は、今からちょうど100年前にやむを得ぬ事情で37の断簡に分割された。それが過去最大規模で集結することとなった本展は、美術ファンにとって事件と言うべき展覧会だ。

佐竹家から実業家・山本唯三郎に売却されたこの歌仙絵は、経営の悪化により再び売りに出された。しかし、あまりにも高価なため誰も手が出せず、絵画流出の噂が立つまでに。そこで、当時の経済界の重鎮で大茶人でもあった増田孝(鈍翁)が発起人となり、歌仙絵を分割して共同購入することになったのだ。
大正9年(1919)12月20日に37の断簡(三十六歌仙+『住吉大明神』)に分割された《佐竹本傘寿六歌仙絵》。この伝説的な事件もあって作品の価値は一層高まったが、同時になかなか見られない秘宝にもなってしまった。現在では流転の末に行方不明になってしまった断簡さえあるほどだ。
本展では、37件の断簡のうち31件が100年ぶりに集結する。また、雅な王朝文化を体現する和歌集や絵巻物なども展示され、国宝5件、重要文化財61件、重要美術品4件を含む140件あまりに及ぶ。会期は38日。京都限定の展覧会ということもあり、全国からファンが殺到するのは間違いない。期間は11月24日まで、料金は一般1600円。
文/小吹隆文(美術ライター)
『流転100年 佐竹本三十六歌仙と王朝の美』
期間:2019年10月12日(土)〜11月24日(日)※月曜休(10/14・11/4開館、10/15・11/5休館)
時間:9:30〜18:00(金・土曜は〜20:00)※入館は閉館30分前まで
会場:京都国立博物館(京都市東山区茶屋町527)
料金:一般1600円、大学生1200円、高校生700円、中学生以下無料
電話:075-525-2473(テレホンサービス)
関連記事
あなたにオススメ
人気記事ランキング
写真ランキング
コラボPR
-
9年ぶりに帰ってきた!トピックだらけの心斎橋パルコ
NEW 12時間前 -
淡路島へおでかけ・・・遊びとグルメ
NEW 2021.1.19 11:15 -
パワースポットやトンネル先の渓谷美を巡る兵庫の旅[PR]
2021.1.8 12:00 -
知らなかった魅力を再発見、こんなにある兵庫の絶景[PR]
2021.1.7 10:00 -
【連載企画】初春文楽公演、みどころはココだ![PR]
2021.1.5 13:00 -
「Meets Regional」 INFO [PR]
2020.12.28 13:00 -
【連載】神戸市北区で休日さんぽ〜淡河/有馬編[PR]
2020.12.28 10:00 -
京都・奈良・三重、オススメの絶景めぐり【前編】[PR]
2020.12.28 07:00 -
京都・奈良・三重、オススメの絶景めぐり【後編】[PR]
2020.12.28 07:00 -
曲線の建築美や秘めた古代遺跡 知らなかった兵庫[PR]
2020.12.25 12:00 -
エメラルドスタシア、関西で素敵な暮らしを[PR]
2020.12.25 10:00 -
ららぽーとやアウトレット、関西7施設の魅力を発信[PR]
2020.12.23 10:00 -
スゴすぎる! 大阪ならではインスタ映えレゴアート[PR]
2020.12.2 19:00 -
便利グッズや調味料でBBQをもっと楽しく[PR]
2020.11.13 12:00 -
知ってた?イオンモールのこんなとこ[PR]
2020.11.13 12:00 -
大阪府少人数利用飲食店応援キャンペーンまとめ[PR]
2020.11.2 12:00 -
おうちで楽しむ姫路名物、厳選テイクアウトグルメ [PR]
2020.10.29 12:00 -
ワイン、スイーツ、お惣菜…幸せの持ち帰りグルメ[PR]
2020.10.28 12:00 -
ご当地ものの調味料も…市場近くでお買い物[PR]
2020.10.27 12:00 -
猫好きさんにはたまらない!癒やしの1日[PR]
2020.10.23 12:00 -
奈良・王寺町、お店を応援するプロジェクト[PR]
2020.7.3 13:00