高杉真宙「いまだに怖くて観てないです」

ある車の接触事故に遭遇した、目が見えない元警察官の女性・なつめ(吉岡里帆)。車中から助けを求める少女の声が聞こえ、誘拐事件の可能性を訴えるも、彼女の証言を警察は認めない。なつめは少女を救うべく、現場にいたもうひとりの目撃者であるスケボーで車と接触した高校生・国崎春馬(高杉真宙)を探し出し、ふたりの捜査により連続猟奇殺人が露わになる。映画『見えない目撃者』で高校生を演じた高杉に話を訊いた。
取材・文/ミルクマン斉藤 写真/木村正史
「どうしてもオリジナルを意識してしまう」(高杉真宙)
──とりあえず感想を言いますと、この作品は日本のサスペンス・スリラー史上画期的な成功作だと思います。この脚本を読まれたとき、どう感じましたか?
ありがとうございます。でも、この脚本をいただいて、とても面白かったんだけど「これ、日本でできるの?」って思ったんです。なぜなら、かなり(表現を)攻めないとできないし、どこまで攻めきれるかが勝負だと思ったんで・・・。でも、出来上がった作品を観て、やり切ったんだって思いました。

──まさにそうで。僕はこれがサスペンス/ホラー好きの間で高く評価されていた韓国映画『ブラインド』のリメイクだっていうことは知ってて観たんですが、実は僕はオリジナルを未見だったんです。でも、小道具含め伏線の使い方といい、各キャラクターの活かし方といい、いま高杉さんが心配されてた酸鼻な描写といい、あまりに見事な脚本で。高杉さんはオリジナルをどの程度意識されましたか?
いや、実はいまだに怖くて観てないんです(笑)。観てしまうと、どうしてもオリジナルの俳優さんの演技を意識してしまうし、その『答え』みたいなものに引っ張られる感じがして観ないようにしたんですね。
──僕はこの映画のあとにオリジナルを観たんですけど、確かにプロットとしての見事さはある。でもそれさえ叩き台くらいにしか感じさせない物語の膨らませ方で、そもそも攻めた残虐な描写もないし、犠牲者を救おうとする主人公たちの真摯な行動論理さえない。監督も同じ演出は絶対にしない、って意志がはっきり見えるリメイクですね。原作者も「こりゃ負けたな」と思う出来じゃないでしょうか。
え、そうなんですか? むしろ今の話を聞いて、オリジナルを観て答え合わせをしたくなりましたね(笑)。

──森淳一監督は今までもミステリ的な題材を扱ってられたけど、これはぶっちぎりの会心作じゃないでしょうかね。ここまで練ればもはや別物でしょう。監督とは初めて組まれたと思うんですけど、撮影現場はどうでしたか?
すーっと入っていける感じでしたね。でも、僕の最初のシーンは取調室のシーンだったんですけど、そこでは5、6回リハーサルをして。普通はそんなにしないんですよ。でも監督は春馬というキャラクターについて、最初に僕と相談しながらしっかり演出されたんですね。それがあったから、あとは割とラクでした(笑)。そういうふうにすんなり入っていける組っていうのは特別なんです。
──ということは、そのファースト・シーンを通過したらスムーズに進行したってことですね。
僕は基本的に、監督が作りたいと思ってることを、その通りに演じようと心掛けているんです。今回は特に、監督のなかでもうすべてが出来ている感じがしていたので、そこにどう合わせていくか、それだけでした。
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