高杉真宙「いまだに怖くて観てないです」

2019.9.26 20:00
(写真4枚)

「僕なんかよりずっと男気があって(笑)」(高杉真宙)

──この脚色には3年ほどかかったと聞きましたけど、オリジナルを改変していくうちに、ここはどう撮るべきかが監督のなかでもう確固なものになってたんでしょうねえ。

そうかも知れませんね。こう演じて、と言われて疑問に感じることはなかったです。

──森監督もですけど、撮影の高木風太さんとも初顔合わせですよね。彼のキャメラが実によかった。

いや、そうですよね! キャメラマンさんは、監督以上に現場を客観的に見てるんだと思うんですけど、高木さんのキャメラはスゴかったです。

──高杉さんは若手俳優さんとしてはかなり映画の現場をこなしてらっしゃいますもんね。実は僕が高杉さんに最初に瞠目したのは小林啓一監督の『ぼんとリンちゃん』なんです。あれは2010年代を象徴する大傑作ですしね。

え、ありがとうございます!

注目作に次々と起用される俳優・高杉真宙

──そのあと小林監督と組まれた『逆光の頃』も含め、主演俳優としての高杉さんのフィルモグラフィはあるんですけど、このところ『ギャングース』のようなアンサンブル・キャストとしての巧さや、『賭ケグルイ』のようなバイプレイヤーとしての巧さが光ってきてますよね。森川葵さんにインタビューしたときも称賛の嵐でしたよ。

いや、もうありがとうございます。

──そんな高杉さんのバイプレイヤーとしての仕事としても、今回は里程標(物事の推移・発展の一過程を示すしるし)じゃなかったかと思うんです。最初は世をスネたようなスケーターが、次第に吉岡里帆さん演じるなつめの「行動」に惹かれていくという、その過程もスムーズで。吉岡さんって、ちょっと稀な女優さんだと僕は思うんですけど。

もちろん女性としておキレイなんですけど、僕なんかよりずっと男気があって(笑)。とにかくカッコいいんですよ。

映画『見えない目撃者』のワンシーン

──もう最後なんて西部劇のガンマンで。個人的にはおおおおおって(笑)。でも彼女とのコラボレーションの極みは、犯人の追跡を逃れる手段をスマホ動画でサポートするシーンですかね。オリジナルにもあるんだけど、アップデートされてて遥かにスリリングで。

そうですね。あのシーンを脚本で読んだとき、ああ、また完全に一人芝居だなって(笑)。

──モンタージュの力でもって、観る者にはとてつもなく緊迫感のあるシークエンスですけどね。でも、あれ観てテレビシリーズ終盤の『賭ケグルイ』を即座に連想しました(笑)。

僕もそう思いました(笑)。演技の相手が見えないパターンで、一人芝居は確実だし、これは大変だと。春馬となつめの熱量にズレがあると、説得力に欠けてしまうので、スケボーと、あのシーンは怖かったですね(笑)。

映画『見えない目撃者』

2019年9月20日(金)公開
監督:森淳一
出演:吉岡里帆、高杉真宙、ほか
配給:東映 R15+

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