街なかを金魚泳ぐ、奈良県の不思議な光景

2019.7.14 10:00
(写真14枚)

「金魚愛あふれる、金魚ストリート・柳町商店街」

大和郡山市のなかでも特に金魚ストリートと化し、SNSを中心に話題を集めている「柳町商店街」(近鉄郡山駅から徒歩3分)。店頭やショーウィンドウなど、商店街のあちこちで泳ぐ金魚を探しながら散策すると、多くの出会いに溢れている。

散策中立ち寄った北村呉服店の「金魚とねこ」。「正反対の組み合わせが面白いかな」と店主が考案
散策中立ち寄った北村呉服店の「金魚とねこ」。「正反対の組み合わせが面白いかな」と店主が考案

人気スポットのひとつ、巨大水槽「金魚箱」の金魚を眺めながら店主・森和也さんが焙煎したおいしいコーヒーを味わえる「K COFFEE」。森さんは、「本当に金魚が好きという人が落ち着くと言って来てくれる」とやさしく迎えてくれる。

元ガソリンスタンドの跡地で開放感があり、コーヒーロースター・森さんが淹れるコーヒーが人気の「K COFFEE」
元ガソリンスタンドの跡地で開放感があり、コーヒーロースター・森さんが淹れるコーヒーが人気の「K COFFEE」

また、金魚カフェ「柳楽屋」は、入り口横の「金魚自販機」と「きんぎょソーダ」が人気。金魚愛が深い店主・青山さおりさんが「金魚に元気を貰いに来て、非日常空間を味わって欲しい」と、店内は金魚だらけ。金魚愛が深まるにつれて、店内と「きんぎょメニュー」は、どんどん進化中だという。

金魚衣装で出迎えてくれた金魚カフェ「柳楽屋」の店主・青山さおりさん
金魚衣装で出迎えてくれた金魚カフェ「柳楽屋」の店主・青山さおりさん

店内の水槽席で食事をしている女性2人に声を掛けてみると、『全国金魚すくい選手権大会』の元チャンピオン畠さんと第3位の小谷さんだった。お2人は、カフェ近くにある金魚すくい道場「おみやげ処 こちくや」で、8月の大会にむけ、金魚すくいの練習をした後に立ち寄ったという。

「私たち2人が出会ったのも金魚すくいなので、金魚が繋ぐ縁ですね」(畠さん)、「金魚すくいを誰でも体験できて楽しい。しかも金魚を見られるし、さらに食事がおいしい。田舎だけど結構穴場なところが多いですよ。川のなかにも金魚がおったりとか」と、金魚の街の魅力を話してくれた。

畠さんと小谷さんが練習のため通う「おみやげ処 こちくや」併設の「金魚すくい道場」。いつでも誰でも金魚すくいが体験できる
畠さんと小谷さんが練習のため通う「おみやげ処 こちくや」併設の「金魚すくい道場」。いつでも誰でも金魚すくいが体験できる

実際に市内を散策してみて、

・街中や養殖池で金魚を探して「見る」
・金魚の美術工芸や珍スポを「知る」
・金魚の歴史を「学ぶ」
・金魚すくいやきんぎょメニューを味わい「楽しむ」

と、まさに金魚マイスター養成塾の地図が謳うディープな金魚三昧を堪能。しかも、たまたま声を掛けた方が金魚すくいの元・チャンピオンと3位なのだから、「金魚が繋ぐ縁」も実体験できた。大和郡山市は、商店街や人々の深い金魚愛と、江戸時代からの金魚養殖という歴史・文化に裏付けされた、味わい深い金魚ワンダーランドだったのだ。ぜひこの夏、金魚が泳ぐ摩訶不思議な大和郡山を探訪してみてほしい。

取材・文・写真/いずみゆか

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